シリーズ・消えた「流通企業」寡占化の下で消えていった名物コンビニ~サンクス、am/pm、サンチェーン、ショップ99
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昨今、何かと話題の多いコンビニ業界だが、寡占化が最も進んでいる業態でもある。3社で市場の90%以上のシェアをもち、合わせ総額10兆円にもなる。だが、その背景にはこの大手に飲み込まれていったコンビニチェーンが存在した。
まず、記憶に新しいところではサンクス。いまは、ファミリーマート(FM)に店名を変えているが、そのまえはユニーグループのサークルKと統合されサークルKのサンクスと言った。
そもそもサンクスの産みの親はどこなのか?実は、長崎屋なのである。1980年に同社CVS事業部として設立された。トップを任されたのは橘高隆哉氏。多彩な戦略家としてサンクスを引っ張り、最終的には3000店舗近い店舗網を確立した。
長崎屋が経営破綻し、一時、小野グループ(本社 福井)が筆頭株主となったが、1998年、ユニーに株を売却し、サークルKサンクスとなった。余談だが、昨年ユニークループが長崎屋を買収したドン.キホーテグループ入りするとは何かのめぐり合わせか?
FMは、そのほか、ガソリンスタンド併設型店舗や無人店舗で話題を呼んだam/pmを2010年に吸収合併している。同社は共同石油(現・JXTGエネルギー)が手がけたコンビニとしても話題を呼んだ。
「あいててよかった」はセブン‐イレブン初期のCMキャッチコピーだが、「あいてて当たり前」「やっていて当然」というCMを流したのがサンチェーン。
同社は後にローソンと合併するが、まだ、セブン‐イレブンが24時間営業を完全に定着させていない時代に最初から24時間営業のコンビニを展開した。また。その前身が実にユニークで元キャバレーチェーンを経営していた。
成長の軸足をコンビニに移したのが1976年。その4年後にはダイエーグループ入りして、ローソンと統合している。
ローソンといえば、現在「ローソンストア100」もユニーク。もともとは、東京・立川で小売業を営む(株)ベストが始めた100円均1店舗。生鮮も扱う店で、働く主婦に人気となった。
その後、社名を九九プラスと改め、店名も「Shop99」としFC展開に乗り出す。価格政策のユニークさが受け、若者に大人気となった。店舗立地はほかのコンビニと同じで、時に隣合わせとなるなどの現象も起きた。2000年にローソンと提携し、現在に至っている。
大手コンビニが展開する合従連衡のなかで、個性派コンビニには消えて行って欲しくない昨今である。
(つづく)
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