2024年11月22日( 金 )

【パチンカー代の『釘読み』】Dステーションだけなのか、釘調整問題

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 NEXUS(株)が運営するパチンコホール「Super D'STATION大間々店(群馬県みどり市)」が、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風適法)違反により、行政処分を受けたことは、大きな話題となった。

 同社が違反行為として群馬県公安委員会に指摘されたのは、パチンコ台の無承認変更、いわゆる「釘調整」。同社は今回の件を受け「当社は、このたびの処分を重大且つ厳粛に受け止め、今後は『法令遵守』『健全営業』の徹底を全社一丸推し進める所存です」とコメントしている。

休業で飛び交った噂

 当該店舗は、2019年6月6日付で群馬県公安委員会から4カ月の営業停止処分を受けるまで、休業していた。休業が始まったのは、18年11月26日から。突然の出来事に、当時遊技ファンや業界関係者の間では「釘調整で店長と社長が書類送検される」「全店営業停止になる」など、さまざまな憶測が広がった。

 実態は風適法違反容疑にともなう営業自粛だったわけだが、誰が、どのような状況下で釘調整を行ったのかに関して、群馬県公安委員会はその詳細を明らかにしていない。

黒塗り箇所が非常に気になるところ
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釘調整の是否

 パチンコ・スロットなどの遊技機は、メーカーから導入された状態で稼働させなければならない。しかし、経年劣化や不意のトラブルによる損傷は避けられない。こうした場合の現場(ホール)対応で、たとえばパチンコの釘を「メーカーから導入された状態(=元の状態)に戻す」ということはあるだろう。風適法で禁じられた行為(無承認変更)だが、現実問題として毎回公安委員会に変更の承認申請書、届出書を提出し、許可が下りるまで待つとなると、相応の時間・費用がかかる。許可が下りるまでは対象となる遊技機は稼働できないため、ホールの業績にも影響が出る。

 遊技の結果を大きく左右するような調整ならともかく、先述のような意味合いの「微」調整に対しては、多少の恩情があっても良いように思えるが…。

まれに釘が玉を弾きまくる時あるよね

疑問だけが残された

 同社に「Super D'STATION大間々店」の営業再開予定や、同店の営業停止処分が今後の業績に与える影響など問い合わせたが、期日までに回答はなかった。

 全国どのホールでも起こり得る釘調整による営業停止処分。だからこそ、本件に関してはなぜDステーションだったのか、という疑問が残されている。

【Dステーション運営、NEXUS(株)】

 1995年に群馬県沼田市に「D'STATION沼田店」をオープンさせたのが同社の始まり。M&Aなども駆使し、2019年6月現在、運営ホール数は全国で60店舗に迫る。九州では、17年の「P-ZONE」買収劇で注目を集めた。ホール運営のほかホテルやフィットネス事業も手がけ、20年に売上高4,000億円を目標に掲げるなど、後発企業ながら業界屈指の存在感を放つ。

旧:P-ZONE12店舗を含めると、18年6月期時点の売上高は約3,000億円
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