働き方改革とは(2)~人材育成
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問題はフィールドに対しての干渉と手法だ。栽培にも教育にもやり方と時間の問題がある。農作物を例にとって過干渉と過保護、間違った視点での改善方策などの例を考えてみよう。
植物には気温、降水量などの季節要因のほかに、栽培土のPH、適正肥料分の違いでその生育に大きな差が出る。化成肥料を与え続けるとその効果は顕著に表れる。
しかし、それを続けるとやがて土の機能が衰える。有機肥料とたい肥なら遅効だが土が本来の豊かさを失うことはない。連作も同じである。とくにナス科の植物に連作障害が現れるのはよく知られている。
植物の環境を企業に直すと、それは風土という言葉になる。風土は人、モノ、カネと歴史が混ぜ合わさった結果できあがった環境である。
その環境が正常な場合は企業の利益も出続ける。だが何もしないで正常、つまり時流対応を永遠に続けることはできない。そこには進化のための手段が求められる。
人間を短期的に変えようと思えば強制と恐怖を介した集中訓練である。世の中には数日、受講者を宿舎付き施設に缶詰めにして一日数時間の睡眠で徹底的に日常と過去の経験を否定しながら新しい人格をつくり上げようというものもある。
心身ともにボロボロになりながら研修を終わった参加者は終了後、極めて大きな人格の変化を見せる。一様に感動し、涙のなかで感謝と反省と新たな挑戦を口にする。特攻隊員の訓練も同じようなものだったのかもしれない。
しかし、大部分の参加者は10日もすれば元に戻る。その感動を維持し続ける人間はほんの一握りに過ぎない。その理由は人間が環境に沿う生きものだからである。
日常に戻ると、よほど明確かつ強い意志がない限り、人は周りを配慮、忖度する本来の人格に戻る。いわゆる「和をもって貴し」である。あるいは「無難な生き方の選択」だ。
(つづく)
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