働き方改革とは(5)~人材成長の阻害要因
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図はアメリカのジェフリー・ムーアによるマーケティング理論だが、これは企業のなかにも当てはまる。
革新者は画期的なもの、あるいはやり方を取り入れようという人だ。残りはそれに対しての理解納得のレベルを表している。前者16%に対して後者は84%。多勢に無勢である。
企業の教育や革新施策も同じでどこまでの層を取り込むことができるかで結果が決まる。いかに革新的で画期的なものでも、少なくともレイトマジョリティー辺りまで浸透しなければ、それは成功とはいえない。
その浸透を図ろうとすれば、組織のなかの意識、能力構成を分析、把握しなければならない。その経過を抜きにして十把ひとからげで同じような教育を提供してもその効果は小さい。
小学1~6年生をひとまとめにして3年生の教育カリキュラムを組むようなものである。1年生には理解できないし、6年生には意味がない。ところが現実にはそんな事例が横行している。
極めつきはペーパーテストによる評価と昇級、昇格である。かつて操縦現場を知らない陸海軍幹部が特攻による体あたりを雷撃より精度、効果が高いと判断した結果と同じである。
たとえば大手流通企業の売り場を見ていると売上につながらない商品であふれている。価格、デザイン、色、機能性、陳列法、数量、マンネリ。何より過剰売り場面積。その理由は前年実績に基づく仕入れと細分化された担当分野にある。
顧客の選択肢と感性、時代に関係なく同じような商品を同じように同じ面積の売り場に並べ続けるからだ。
売り場は圃場でもある。いつどんな目的でどんな手段を用いて最大の効果を引き出すかということである。毎年同じように同じ作付けを繰り返せば先述したように連作障害が発生する。
それはどんな業界、分野にも共通する。だから変革なき連続行動は人材成長の最も大きな阻害要因である。
(つづく)
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