2024年12月24日( 火 )

山本太郎氏が問責決議棄権の理由を釈明、「予算委開催が前提でなければ」

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棄権した胸中を明かす山本氏(2019.6.23筆者撮影)

 新党「れいわ新選組」の山本太郎参院議員が麻生太郎財務相に対する問責決議案の採決を棄権した理由について23日、宮崎市内で開いた市民との対話集会で「(問責決議は)形でしかない。予算委員会を開くという前提でなければ」と釈明した。一方、24日の内閣不信任決議案には賛成する意向を示した。

 山本氏は21日の参院本会議で、立憲民主党などが提出していた麻生氏の問責決議案と金子原二郎委員長(自民)の解任決議案の採決を棄権した。

 集会に参加した男性から「棄権ではなく、与党も野党も駄目だと言って賛成すべきではなかったか。安倍晋三首相の問責決議案には賛成してくれ。議事録に抵抗したことを残せるから」と要望があった。

 これに対し、山本氏は「お考えに沿えず、申し訳ない。ただ、予算委員会が開かれないなら徹底交戦すべき。国会が閉まるときに年中行事を繰り返されたってかたちでしかない。それをやって何になる」と釈明した。

 問責決議案提出について、「(予算委員会を)開くという前提でなければ。ほかの委員会も本会議の開催も一切加わらない、体を張って抵抗することを野党第1党が提案しながらやっていかなければ。でなければ、予算委員会を開かなくても国会は回ると約束しているのと一緒」と、与野党のなれ合いをけん制した。

 議場で与野党批判を叫ぶべきだったとの意見に対しては、「それではダメージが大きすぎる。完全に野党の分断になる」と吐露した。同時に「今回、ひびを入れたかもしれない。野党第一党の支持者たちに」と述べながらも、「本会議場で『立憲民主党!』とやったらテレビでも放送され、選挙前に野党が分断されかねない」と強調した。

 国政を取り巻く問題が山積する中、なぜ野党があらゆる手を尽くして予算委員会の開催を迫らないのか。これについて、「解散総選挙をやられるのが嫌だから」と明言した。 

 22日の毎日新聞の記事を示し、「首相が解散しないと公明党に伝えたから、野党は不信任決議案を出す。本気のけんかではない」と両断した。そのうえで、「じゃあ、私も儀式にお付き合いしようということにはならない。議事録に残ろうが残るまいが関係ない」と述べ、国会が対決の場になるのを求めた。

 参院に安倍首相問責決議案が提出され、24日に本会議で採決が予定される。これに関し、山本氏は21日の自身のブログに「私はその儀式もパスする。 本気で引きずり下ろす気がない戦いには与(くみ)しない」と記す。

 しかし、参加者の意見を受け、「今、お話をいただいたので、月曜日の総理の問責決議には出る」と翻意を示した。その後の質疑のなかで、「これまでの戦い方について行動とブログで言えた。明日のことは柔軟な対応でもよいという気持ちになった」と補足した。

 山本氏はブログで、次のように続けている。

 「一緒に戦う野党をつくりたいんです。本気で戦う勢力をみなさんとつくりたい、というラブコールです」

<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)  

 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。

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