「共産党が一番の保守」と山本太郎氏、「れいわ」は右か左か
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「れいわ新選組」から参議院比例代表で立候補している山本太郎代表(44)は12日、京都選挙区の共産党現職、倉林明子氏(58)の応援に京都に入り、「今の共産党が一番の保守ですよ。一番この国を守ろうとしている」などと賞賛し、生活安保の面から共感を示した。
京都選挙区は自民と共産が改選2議席を分け合うが、3年前の参院選では、共産候補は自民・民進党(当時)の両現職に20万票近い差をつけられて敗れている。
京都市内の三条河原町交差点で開かれた倉林氏の街頭演説会に登場した山本氏は、「本当は人の応援に入っている場合ではない」「今、絶好調という方がいらしたら、赤旗10部ぐらい購読していただきたい」などと聴衆に向け、笑いを取った。
続いて、共産党が以前から消費税廃止を唱えていたことに言及。「はっきり言いますよ。一番骨がある、今の共産党が一番の保守ですよ。この国を守ろうとしている」と述べ、同党が消費税引き上げ阻止の野党共闘に重要な役割をはたしたことを強調した。
そのうえで、倉林氏が消費税の分割納入を財務省に談判し、滞納による差し押さえを約10万件止めた業績を紹介。「政治で救える命がある。それを実践しているのが倉林明子さんですよ。京都の皆さま、倉林さんを全力で勝たせて」と呼び掛けた。
「れいわ新選組」は野党共闘を推進する立場だが、立憲・国民と社民・共産の間には、同党に対する姿勢に差が見られる。同党比例代表の蓮池透氏(64)は新潟選挙区から無所属で立候補する打越さく良(ら)氏(51)の応援を断られた。同候補は4野党が推薦するが、もともと立憲が要請している。
山本氏は9日、熊本選挙区の阿部広美氏(52)の応援に入った。同候補は無所属で社民・共産が推薦する。4月の統一市長選で共産党の候補を応援したことから、連合が自主投票にしたため、ほかの2党が推薦を取り消した。
山本氏が11日に応援に入った大阪選挙区の亀石倫子(みちこ)氏(45)は立憲公認だが、党の政策集とは違う「最低賃金1,500円」を独自に掲げている。
外交・防衛面では一層明確だ。日本共産党は日米地位協定の抜本的改定はもちろん、日米安全保障条約廃棄、在日米軍基地の撤退を党是とする。れいわ新選組は「真の独立国家を目指す〜地位協定を改定」を掲げ、沖縄の米軍辺野古基地建設の中止と在中海兵隊のカリフォルニア党への移転を主張。その費用として米国債売却の検討も明記する。
「れいわ」の「8つの緊急提言」には、食料安全保障として一次産業戸別所得補償のほか、TPP協定やPFI法、水道法、カジノ法、種子法、入管法など「トンデモ法の一括見直し・廃止」が盛り込まれ、共産党と同様に民族自決の理念を示す。
12日、東京・JR品川駅前で開かれた「れいわ祭」では、比例代表の三井義文(よしふみ)氏(62)が「俺たちは保守だよ。民主主義の政党」と発言した。終了後、マスコミ記者に真偽を問われた山本氏は「ごりごりの保守ですよ」と答えた。歴代政権が食糧安保を疎かにしてきたことを糾弾し、「人々の悲惨な状況、安全保障、人々の生活、人間の尊厳を守る最先端。その意味での保守というなら、ごりごりの保守」と続けた。
6日にJR新宿駅東南口前で「くそ左翼死ね」と通行人にやじられた際、山本氏は「ありがとうございます。死にたくなるような世の中を変えるために立候補しているんだ」と応じた後、「人をカテゴライズするんじゃないよ。私は右翼でも左翼でもない。フリースタイルだ」と反論している。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。関連キーワード
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