2024年11月13日( 水 )

最低限知っておきたい労働基準法

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 会社に入ってしまえば、会社のルールが働くうえでのすべてとなりがち。でも、本当にそのルールは法律上適正なものなのでしょうか。“労基法”の略称でも知られる、労働者を守る最低限の基準を定めた労働基準法、あなたの会社では本当に守られていますか?
 今回は労基法のなかでも、とくに知っておきたい基礎知識をご紹介します。


(1)労働基準法とは
 1947年4月に制定された、労働条件(労働時間、休日、賃金など)の最低基準を定めた法律です。正社員だけでなく、パート、アルバイト、契約社員、派遣労働者など、雇用形態を問わずすべての労働者に適用されます。

(2)労働条件の明示
 労働基準法第15条第1項、労働基準法施行規則第5条により、労働者を採用するときは以下の労働条件を明示することが定められています

(3)賃金支払いの原則
 賃金の支払いに関しては、労働基準法第24条及び最低賃金法第4条に、下記のように原則が定められています。

(4)労働時間
 労働基準法第32条、第40条において、労働時間の上限は下記のように定められています。

1日…8時間、1週間…40時間

※10人未満の商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業は1週間の労働上限時間44時間(変形労働制などを採用する場合はこの限りではない)
 上記の労働時間を超える場合は、あらかじめ労使協定(36協定)を結び、所轄労働基準監督署に提出しなければなりません。

(5)休憩・休日
 労働基準法第32条において、下記のように休憩時間の原則が定められています。
  1日の労働時間が

6時間以上…45分以上の休憩、8時間以上…1時間以上の休憩

 また、休日については労働基準法第35条において、1週間に1日、4週間を通じて4日以上付与しなければならないと定められています。休日労働が必要な場合は、36協定の締結・届出が必要です。

(6)割増賃金
 労働基準法第37条において、時間外労働、休日労働、深夜労働を行わせた場合は、割増賃金を支払うよう定められています。

 なお、長時間労働抑制を目的に労働基準法の一部が改正され、2010年4月1日から、1カ月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が5割に引き上げられました(中小企業には適用猶予有り)。

(7)解雇・退職
 労働基準法第20条において、労働者を解雇する場合には、30日以上前の予告もしくは、解雇予告手当(平均賃金の30日分以上)を支払わなければならないと定められています。
 また、労働基準法第19条において業務上の傷病産前産後による休業期間およびその後30日間は、原則として解雇できないことになっています。


 いかがでしたか。労基法にはこのほかにも年次有給休暇や就業規則に関することなど、さまざまな定めが存在します。労基法を知っていることは、あなた自身を守ることにつながります。
 組織に所属している以上、会社のことに口を出すのは難しいと感じるかもしれません。しかし、「労基法に抵触しているのではないか」と感じたときは、まず所轄の労働基準監督署などに相談してみましょう。

 

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