2024年12月23日( 月 )

ライオンズクラブを本来の姿に─337-A地区の今とこれから─(8)

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側近はどうすべきだったか?

 前項で述べた側近の行動について、本来であれば、どう行動すべきだったかについての考察をしていきたい。

 ライオンズクラブでは、ロバート議事法が採用されている。ロバート議事法とは、アメリカ合衆国陸軍少佐だったHenry Robert (ヘンリー・ロバート)が合衆国議会の議事規則を基に一般の会議でも用いることができるよう簡略化してつくった議事進行規則である。その内容は、

■4つの権利
 1:多数者の権利
 2:少数者の権利
 3:個人の権利
 4:不在者の権利

■4つの原則
 1:一時一件の原則
 2:一時不再議の原則
 3:多数決の原則
 4:定足数の原則

に従うとされる。これらの権利および原則に沿うと、先の指名委員会による次期リジョンチェアパーソン(RC)2名の候補者の支持結果が6対2、または5対3と棄権1という結果だとすると、当然5名ないし6名が支持した候補者が次期RCに選出されるはずだ。

 独自に入手した指名委員会の情報によると、出席者の定数が満たされ、少数者の権利が尊重されている。ロバート議事法では、最終的には多数決による決議で事案が決まる。少数意見があれば斟酌する。単純明快な理屈だ。しかし、残念なことに2名、つまり前ガバナーと側近が支持した候補者が、RCとなった。なぜそのような異常な決定が下されたのか?その2名の主張を以下の通りまとめると、

 1:国際協会の考え・指針である女性の進出
 2:女性目線でのリーダーシップ
 3:任命権者によるRCへの一任
 4:国際協会ではローテーションの廃止を提唱

 以上の要旨を主張したという。どれも「お花畑のようなきれいな」要旨である。

 この4つの要旨を盾にし、自らが提唱し、招集した指名委員会の出席者の意向を踏みにじり、なるべきではない候補者をRCに推薦し、その通りの結果となった。付け加えると、この事態を憂慮した心ある337-A地区名誉顧問の1人がガバナーエレクトに対して、多数が支持した候補者がRCに就任することが望ましいと提言した。また、指名委員会に出席したメンバーは、名誉顧問に同様の意見を具申している。繰り返しになるが、側近は、それらの意見も無視し、「ガバナーエレクトの決定」と嘘をついてまで、自身が推す候補者をRCにした。

 ある2Rのクラブ幹部は、「指名委員会で多数に支持された候補者が、RC候補者として推薦されるのが真っ当な結果です。2名が支持した候補者は、RCの補佐役としての役回りに就き、協力しあってRを運営するという方法も考えられます。これらを実施していれば、ロバート議事法の多数決と少数の権利が尊重されたことになります。そして、その議事録を作成し、各クラブに公表、説明すべきです。そのような当然の『責任』すら果たせないのであれば、側近は、残念ながらライオンズクラブのリーダーとしての資質に欠けているとしか言えません」との冷静なコメントが寄せられた。

 側近は、相応の従業員を有する地場企業の経営者で、優良企業として顕彰された実績もある。客観視すると、地域社会に認められている企業のリーダーであるにも関わらず、我欲のためになりふりかまわず、ライオンズクラブを私物化しようとしているようにしか映らない。

 読者の皆さまも客観的にご考察いただきたい。組織内で、ある決め事を実施する場合、民主的な決議か、全員が納得したうえで権限者への委譲がなされるべきだ。今回のような手法がまかり通るというのは、はたして正しいことなのだろうか。それともライオンズクラブでは許される手法なのか?

 本連載では福岡で起きた内容を中心に書いているが、側近が今後、ガバナーやその他の名誉・責任のある地位に就くことによって、福岡以外の地域や地区にも関係する問題となってくることも書き添えておく。決して他人事ではないはずだ。

(つづく)
【河原 清明】

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