西日本新聞の柴田建哉社長殿、貴方は社を復活させる覚悟がありますか?(1)
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まずは弊社が発刊するI・Bの2019夏季特集号の巻頭文「『人口減』の先に待ち受ける、激変時代 企業の命運は朽ちるのか、あるいはいかに発展させるのか」を参照されたし。
「言葉のあや」ではない。まさしく激変時代に突入した。油断すれば淘汰される、いや消滅するのである。
まずは地球環境の激変。地球温暖化傾向が加速することは間違いない。今年の日本は冷夏の兆しがあるが、突如として40度を超える激暑になることもある。あるいは、毎年のように襲われる集中豪雨などの自然災害。大地震の発生も油断できない。自然環境の激変で、人類の存在そのものが危機に直面している。
皮肉を交えていえば、日本人は本能的に危機予知能力に優れているのかもしれない。子孫を残すことに危険信号が灯っているのか、子どもの数が減り続けている。年間で約100万人の人口減時代の到来が現実のものとなり、今後10年以内に全国至るところで共同体が崩壊する異常事態が待ち受けている。日本沈没でなく「日本人の消滅」すらSF的ジョークではないのだ。
そうなれば国として取り得る手段は移民政策しかないのは自明だ。長く単一民族幻想のもとで国を築いてきた日本人にとって国論は二分する大論争が巻き起こるだろう。
人口が減るということは、市場の縮小を意味する。とくに地方における人口減はスピードが速いうえに減り方も極端である。人口が1%減る県、たとえば長崎県、宮崎県、山口県などは、今のペースでいけば10年以内には人口100万人を割る。その弊害を最も被るのが金融機関だ。銀行経営が成り立たないという現実が誰の目にも明白になってきた。日本は、資本主義社会において金融業が成立しないというが存在し得るのかという根源的な命題と向き合うことになる。
AIの技術深化が本当に人類を幸せにできるのかという難問も待ち構えている。仕事を奪われた人間が再び専門スキルを習得できる意欲をもてるのか。個人的には、日本人の80%はあきらめるだろうと考えている。産業界においても衰退と勃興が繰り返されるだろう。しかし筆者は、「満足できる対価を握れる職種層は15%。残りの85%は貧困に転落する」という悲観論者に成り下がっている。
貧困者へのベーシックインカム(最低限所得保障)が一部で論じられているが、実現するとなれば一体どのような社会が待ち受けているのか。労働から解放される「現世の天国」が到来するとは考えにくい。人類がまだ見たことのないような悲惨な社会の訪れかもしれない。
AIによる技術革新で人類が仕事を奪われ、ベーシックインカムで細々と暮らさざるを得ない人々が大部分となった未来社会では、消費市場が細るのは間違いない。縮小する市場に企業がいかに対応するのか。いろいろ考えてみたものの、筆者は悲観的な未来しか描けない。
皆さまはどうですか。未来を描けていますか?
柴田社長殿!どの企業も朽ち果てることはない。対応力を発揮すれば大躍進する可能性は十分にある。ところが新聞社の経営環境は厳しい。若者がペーパー(紙媒体)を読まない。10年もすれば、その若者たちが中年になる。『新聞が必要ない層』が社会の主流を占めることになる。今の得意先世代(老人たち)は亡くなってしまい、支持層が消滅してしまう。さあ、柴田社長、対応策はありますか。
このシリーズは決して柴田社長の経営批判をするものではない。弊社の経営基盤も揺らいでいる。弊社と同じ業界では帝国データバンクの1人勝ちで、企業データ販売のビジネスモデルを確立して独走している。弊社も時代にマッチしたビジネスモデルを確立させないと消滅の危険性を孕んでいることは間違いない。この連載は情報発信の経営者同士で、激変時代をどう乗り切るかを考えてみようという狙いがあるのだ。
(つづく)
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