2024年11月25日( 月 )

西日本新聞の柴田建哉社長殿、貴方は社を復活させる覚悟がありますか?(3)~資産売却に終始する

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中央区八重洲2丁目のビル権利を転売

 いまのところ西日本新聞社東京支店総務部(以降、N社)の所在地は中央区八重洲2-8-7となっている。東京駅八重洲口を正面にして道路に面したエリアが東から八重洲1丁目、西が銀座に接するところまでが八重洲2丁目である。添付写真の通り、957.55m2の広さにセンスの良いオフィスビルがある。このビルには福岡銀行東京支店も入居している。


(写真1)八重洲2丁目のビル

 このビルの権利をN社は101/1000所有してきたが、2017年12月に東京建物に権利を譲渡していたことが判明した。この不動産の過去の名義変更を見ると興味深い点がたくさんある。この不動産は1954年1月に複数の持ち主に共有区分されている。N社以外に明治鉱業、アール・ケー・ビー毎日放送(現・RKB毎日放送)が共有区分者になっているのだ。その後、福岡銀行、児島洋紙店など福岡に関係ある企業も共有区分者として名を連ねている。この不動産には福岡の企業群と何かしら縁があったのであろう。

 本題に戻る。要は1954年(昭和29年)、敗戦から9年足らずの時点ですでにN社は儲かっていたのである。一等地・八重洲の不動産の権利を‟ドーン”と買える企業力をもっていたことに驚異の念を抱く。柴田社長!先輩たちが営々と培ってきた資産を売却して胸が痛まないのですか?権利を売却しても経営の復活を成し遂げられていないでありませんか!(写真1)

換金できるものから転売

 リストラを迫られた経営者が、安易に金のなる木を売るのはよくあることだ。地元の例を挙げると、岩田屋が一番先に子会社最大の優良企業であるスーパー「サニー」を売却し、「サニー」は西友の子会社になった。

 セゾングループも生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた。まずは同グループの子会社から、当時、優良企業だったスーパー「西友」をウォルマートに売却した。現在、サニーはこのウォルマートの孫会社として業績が堅調のようだ。

 ダイエー・中内オーナーも窮地に立ち、まず打開策としてドル箱であるリクルート株を手放した。同社の創業者・江副氏から頼まれた(1兆円以上の価値のある会社が転がってきた)リクルートの株を売却したのである。虎の子を転売してダイエーが再建できたのならハッピーだったが、結局のところ同社は倒産に追い込まれた。結果、イオングループにズタズタにされたことは周知の事実。

 柴田社長!「貴方も同じ道を走っている」と警告を発しているのですぞ。子会社の西広は親会社N社を頼らず完全なる再建を図った。生え抜き社長が2代にわたって血反吐を吐くような合理化を敢行し、正常化させた。そして、手っ取り早く博報堂に身売りさせましたね。

 「柴田社長殿!貴方には本当に先を読む眼力がないのでしょうか?」と問いただしたい。筆者は断言する。「自力更生で再建した西広の社員たちは自信に溢れている。プラス、博報堂からはさまざまなノウハウを伝授される。そうなると、すぐさま100億円企業に復活するだろう」。貴方はいずれ「しまった」と思い、絶句するはずだ(この関連項目は後半のシリーズで詳細に記述する)。要は経営をしていないという証明であり、連結決算急減の恐ろしさをご存じないのだ。

太宰府市のグラウンドも売る

 最近、N社の紙面に「弊社が所有していた不動産を西日本鉄道に売却した」という記事が掲載されていた。この所有者は厳密にいえば西日本新聞社健康保険協会だった。そして、つい2カ月前の6月に名義をN社のものした(登記上の名義はまだ西鉄へと変更されていない)。この太宰府市にあるグラウンド用地を売却しても経営の健全化がとても達成するとは思われない。

 ここで強調したいのは、西鉄経営陣の奮闘ぶりである。「バス保有台数日本一」は自慢にならない。大きな赤字を抱えるからだ。鉄道の大牟田線も過去のような収益を期待できない状況である。西鉄社内では「いつまでも過去の本業にこだわっていたら会社は滅亡する」という認識に至ったのだ(写真2)。

(写真2)太宰府市にあるグラウンド用地
(写真3)宮崎総局

 そこから不動産業への注力、さらには国際物流事業の強化、この事業は1,000億円規模にまで拡大された。手前味噌であるが、筆者はアナリストとして2年前に「国際物流事業部は2019年には1,000億円事業になる」と喝破していた。そしていまや連結4,000億円規模に達した。

 柴田社長!「これが経営というものですぞ!」。西鉄はこの取得した不動産開発で2100世帯の住宅提供事業を行う予定だとか。「柴田社長!N社さん!ありがとうございます」と感謝されているだろう。まだまだ続く不動産売却、所有する有価証券の売却、どこまで売り続けば復活できるのであろうか?

 説明すればキリがないが、宮崎総局の不動産売却も告知する。(写真3)。南区大橋1丁目にあった社宅跡地ではJR九州によるマンション開発工事が始まっている(写真4)。

 

(写真4)JR九州によるマンション開発用地
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