西日本新聞の柴田建哉社長殿、貴方は社を復活させる覚悟がありますか?(4)
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紙媒体の将来は10年前から見切られていた
いまから10年前、柴田社長が記者として楽しい時間を過ごされていたかどうかは定かではないが、ここで深刻な事実をお伝えしましょう。10年前、地元のある有力デベロッパーの専務を取材したときのことである。
専務は開口一番、「もう新聞の折り込みチラシは広告効果がない。若い世帯はおそらく3分の1世帯くらいしか新聞を購読していないようである」と聞かされた。
対策として、同社の営業マン、内勤者を総動員して売出し物件の半径3km圏内にある賃貸マンションの居住者をターゲットにチラシを個別投函した。
「この手配りは予想よりも効果が上がった」と同社の専務が打ち明けてくれた。それと当時に「老婆心ながら、これだけ若者たちが新聞、活字離れしているのであれば、先行きは一体どうなるのか」というコメントを貰ったことを追記しておく。
折込チラシの配達が減れば新聞販売店の経営は苦しくなる。余禄がなくなれば一転して不平・不満が充満してくる。「日本特有の自宅への配達システムが崩壊寸前の危機に陥っている」と言っても過言ではないだろう。
それから10年が経ち、新聞を購読する世帯は減り続けていると推定される。現在、西日本新聞社の購読者数は58万部と公表されているようであるが――。柴田社長!当時、「これでは紙媒体ビジネスでは将来の見通しを立てられない」と危機感を抱きませんでしたか?
また「ネット時代が到来する。全社一丸となってそれに備えよう」という意識の共有ができなかったのが不思議でなりません。「やはり記者の本性は『他人事、論評屋』ということで将来の予測を掴めなかったのか」と推測する。誠に至極、残念である。
融資で生存できない福銀がIT武装した
金融機関は、どこも日本銀行黒田総裁による超金融緩和政策によって潰されかかっている。それでも誰1人として黒田総裁に異議を唱えたバンカーはおらず、「我が銀行を潰されてたまるか!」という気骨はもはやない。
この異様な低金利では利ザヤが稼げない。経営基盤が揺らぎ、利ザヤどころか逆ザヤとなり、赤字に転落する羽目となる。金融機関・銀行が業として成立しなくなるということは「日本が資本主義から離反した」という烙印を押されることにつながりかねない。
そんな逆境の中、福岡銀行の経営陣は、(とくに谷正明会長時代から)業容拡大を図ってきた。福岡県エリアだけではなく、熊本、長崎と統治地域拡大を図った銀行間の合併・統合策である。長崎県においては十八銀行まで統合した。同県のシェアは独禁法に触れる程に圧倒的である。
そして持株会社福岡フィナンシャルグループが誕生し、第一地方銀行として全国トップクラスの規模になった。
福銀経営陣は業容の拡大だけではなく、IT活用を経営戦略の最重点項目にあげた。筆者は2017年11月にマネーフォワードという新興ベンチャーの経営者と知り合った。同社は金融機関に対し、IT活用のコンサルを主業務としており、福岡フィナンシャルグループも同社の得意先であることを知った。
それからわずか1年半で福岡銀行は(1)電脳商社ビジネス(2)ネットバンクの立ち上げと次から次へとITビジネスの具体的な戦略を展開し始めた。(1)は得意先にネット通販による売上増支援をする狙いがある。(2)では地方銀行が従来、商圏を限定されてきたという特殊性がある。
そこにはITを駆使して商圏拡大に挑戦しようという企みが伏線としてある。「融資で稼げなければ、ネット活用をしてビジネスモデルを転換する」と大胆な改革を断行し、堅持させるところはさすが福銀さん!柴田社長!これが経営というものですぞ!御社も弊社も福銀さんの爪の垢を煎じて飲む必要があるだろう。
ITを活用したビジネスを深化させなければお互いに明日はない
柴田社長!貴社もIT活用には10年近くかけて挑戦していると思いますが、どのような結果が出ているのでしょうか?こちらではまったく感知できませんが・・・。福銀のIT活用の大胆さを目の当たりにすると、これが経営力の差なのかと痛感しますね。
決して柴田社長を批判しているのではありません。所詮、書き屋は他人さまの論評・批評をして飯を食う商売です。筆者も同類として反省している(柴田社長は同じ穴の狢とは認めないでしょうが)。
「紙からネットの時代」という時代認識は正解で「Net IB News」を発信して16年になる。
2005年12月に「松尾建設が倒産した。そうなると佐賀銀行が連鎖する」という風評が流れて取りつけ騒ぎが起こった。この時に最大のアクセス数を記録した。ネットアクセスの影響の醍醐味も数多く経験させていただいた。だが残念ながら知恵巡りが足りなさすぎた。
「良い記事を書けばいつかは金になる」という使命感でネット発信を持続してきたのだが、大黒字事業には到達できずにいる。記者の域を脱出することができない情けない現状が立ち塞がっている。要は経営をしてこなかったという証明なのである。だが、近々、必ず事業化してみせるという闘志は萎えていない。
柴田社長!!ここはIT事業活性化の具体策を構築しないと「経営」とは評価されません。
貴社を復活させるためには相当の覚悟が必要です。IT活用ビジネスの戦略プロジェクトチームを立ち上げ、自ら陣頭指揮を執らないと悲惨な未来が待ち構えていますぞ!
(つづく)
法人名
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