40年ぶり最高水準の求人倍率も、内実に明暗あり
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1月30日に厚労省が発表した、2017年12月と同年1年分の「一般職業紹介状況」。新卒を除いた17年の平均有効求人倍率(季節調整値)は1.50倍。前年の1.36倍を0.14ポイント上回り、1973年の1.76倍に次ぐ高水準となりました。17年は6月以降、有効求人倍率1.5倍以上の高水準を保ち続け、「雇用の改善が進んだ結果」と言われています。
しかし、この数字は非正規社員の求人も含むもの。17年1年間の正社員有効求人倍率は発表されていませんが、12月分の数値(季節調整値)で見てみると、1.07倍となっています。12月分の全体の有効求人倍率は1.59倍ですので、「雇用改善」といっても、まだ非正規雇用の求人に引っぱられている状態だといえます。職業別でみても雇用状況に差があることがわかります。
17年12月のパートを除いた職業平均有効求人倍率は1.46倍。最も高いのは「建設躯体工事職」で11.28倍。「保安職」は8.17倍、「医師・薬剤師など」が7.24倍、「建築・土木・測量技術者」は6.66倍。対して一番低い「一般事務職」は0.33倍。専門職や技術職での人不足が顕著であるのに対し、事務的職業では求職過剰となっています。全体でみれば「雇用改善」や「求職者に有利な市場」であると言っても、誰もが「就きたい職に、安定した雇用が叶う」というわけではないのです。
今後は「働き方改革」の「同一労働同一賃金」の導入で、正社員にこだわる理由は少なくなるとみられますが、同時に企業にとっても正社員需要はさらに低くなるでしょう。
求人者にとっても求職者についても「働き方」に対する選択肢が増加していく時代。自分にとってどんな勤務形態が望ましいのか、そのためにどのような条件が求められるのかを把握するために、政府や企業の動向・情報をしっかり収集していくことが、ビジネスライフの明暗を分けるといっても過言ではありません。
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