
前回のツリフネソウ同様、キツリフネも茎の下に花が釣り下がっています。
ツリフネソウとの違いは花が黄色いことと、花が口を大きく開けており、お尻の部分が細くなって巻いていないところです。早朝、鑑賞に行くと、花の上で朝露が丸い真珠の玉のように輝いています。
キツリフネとツリフネソウの花の形状の違いは、キツリフネには丸い刻みがあり、ツリフネソウはその刻みが小さいところです。
自生している場所も異なり、それぞれ別の場所で咲いているので、ツリフネソウとキツリフネとの共演を見かけることはありません。
花の奥にハナバチやクマバチが蜜を求め潜り込んでいます。昆虫を呼び込むツリフネソウ科独特の形状をしているからです。
糸島市瑞梅寺ダム上部の瑞梅寺山の家から、瑞梅寺川の源流に当たる洗い谷(渓谷コース)を歩いていくと雷山―井原山の縦走路にでます。
この登山口から10分ほど歩いた場所にあるスギ林に囲まれた渓谷沿いの登山道の脇にキツリフネがたくさん咲く場所がありました。もう20年も前のことです。
当時は渓谷が美しい洗い谷に頻繁に撮影に訪れ、キツリフネを見るのが楽しみでした。しかし、年々、数を減らし、この地では消滅してしまいました。
虫に食い尽くされたのか、環境の変化なのか、わかりませんが、植物にも生存競争があるようです。
秋風に吹かれながら、黄色いキツリフネの姿に魅せられます。

『秋風に 揺られ咲く花 キツリフネに ツクツクボウシ 遠くに聞ゆ』
2019年9月5日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行
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