これからの35年に向けて 今、何を、どう見つめ直すべきか(後)
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一般社団法人博多21の会 筆頭副会長 中尾 厚志 氏
拡大続ける会員数と見つめ直す存在意義
――今後の方向性を教えてください。
中尾 今年と来年の任期を代表する高橋博美会長は一般社団法人化に踏み切った今期を「組織にとって地ならしの年」と位置付けております。35周年を迎えた今、3世代にわたる会がどういう方向で進んでいけばいいのか。法的なところで定款をつくり直して一般社団法人化したのは、これまでの35年を経てこれからの35年を見据えた取り組みの一環です。会長の任期は2年しかないので、1人の一存では決められません。
現在はとにかく「会員ファースト」の号令のもと、会員間交流を深化させています。しかし、今後は郷土に対してどのような提言を行っていくべきなのか、全会を巻き込んだ議論が必要だと考えています。
――提言団体だという認識は全会で共有しているのでしょうか。
中尾 私たちの世代は先輩方が熱心に活動していましたので、提言団体というイメージを共有していますが、新入会員の方々にその認識があるのかはわかりません。ちょうど今から10年くらい前に福岡空港の移転問題が決着して、次なる提言テーマを協議したこともあるんですが、なかなかこれが難しい。経営者が集まる団体ですからそれぞれの立場がありますし、強力なリーダーシップ抜きにはなかなかにまとまりません。そうなると単なる異業種交流会ということになりますし、それでいいじゃないかという意見ももちろんあります。
ただ、地元経済界の意見を集約して提言できる団体になれば会の社会的な存在意義は高まりますし、設立以来の先輩方の想いを継承することにもなるのではと考えています。
――200名を超える会での意見集約は容易ではありませんね。
中尾 もちろん会員のなかには違う意見をもつ方がいて当然でしょう。福岡空港の移転問題でも必ずしも全会一致で新空港建設に賛成だったわけではありません。現空港が市街地に近いという利便性から移転不要論もありましたし、北九州空港や佐賀空港といった近隣施設との連携論や板付の空港を国内空港とし、国際空港を別の場所に新設するという併用論もありました。
しかし、それら多様な意見をまとめるかたちで博多21の会として、地元経済団体の立場から1つの提言を発信してきました。ただ、今後もそういうスタンスを継続するのであれば、会員交流に価値を見出して入会した会員の方々が離脱していくという懸念もありますから、このあたりはしっかりと時間をかけて議論を積み上げていきたいですね。
――新入会員にどんなことを期待されていますか。
中尾 入会したら人脈も広がるし、相談相手もたくさんできますから、本音で話し合える友をつくっていただきたいです。皆さま立場が一緒で、華々しいように見えて裏ではご苦労されていますから、苦労話が共有できるのが嬉しいですよ。私は入会当初は先輩方の名前を覚えるのに苦労しました。名刺を何回もいただいてやっと名前を覚える感じでした。
ですから、新入会員の方々には臆せず、積極的に会に参加していただきたいです。せっかく入会しても参加しない人がいると運営する委員長たちも心配しますし、会員同士の交流は出席しないと始まりません。これからの35年に向けて、新入会員さんには大いに期待しています。
(了)
【児玉 崇】▼関連リンク
・入会後半年はアカデミーで学ぶ 卒業者3名それぞれの印象は?法人名
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