電撃的なヤフーによるZOZO買収の主役 孫正義が範を垂れた「これがM&Aだ!」(後)
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親、子、孫、曾孫の四段重ねの親子上場
アスクル問題では「親子上場」が問題となった。ヤフーはこの6月にSBG傘下の通信子会社ソフトバンクの子会社に組み込まれた。ZOZOはヤフーが買収後も東証一部への上場を維持する。SBGが親会社、ソフトバンクが子会社、ヤフーが孫会社、ZOZOが曾孫会社の4段重ねの「親子上場」になる。
この日、孫氏は自ら親子上場の問題に触れた。
最近は親子上場だとか孫だとかで、なんかいろいろ批判が多い。ここでまたソフトバンクグループの子のソフトバンク(株)の、さらにまた子会社のヤフージャパンの、さらにそのまた子のZOZOって、「これはいったい何なんだ?」。そんな批判が出されそうでありますけれど。
私はヤフージャパンの川邊社長には「俺はあんまり口出しはしないから、いろいろいうと、また忖度経営とか親子上場とかいろいろ言われそうだから、なるべくお前たちで好きなようにやってくれよ」ということであります。
孫氏のこの発言を、額面通り受け取る川邊社長以下のヤフー幹部は皆無だろう。4,000億円を投じるM&Aだ。相手先企業の入念な資産査定は欠かせない。ZOZOは話題性こそ抜群だが、最近では新規事業で迷走が続いていた。
大型企業買収の8割以上は失敗している。高値掴みして、巨額な減損損失の計上を余儀なくされているからだ。それを避けるには、資産査定をしっかりしなければならない。ところが、孫氏の“鶴の一声”でZOZOの買収は決まった。
「楽天をいつ抜くんだ」「アマゾンをいつ抜くんだ」
ヤフーの川邊社長は、アスクルの岩田彰一郎社長(当時)とのトップ会談で、こんな言葉を口にしている。
必ず孫さんが(私たちに)する質問は、「いつ楽天を抜くんだ」「いつアマゾンを抜くんだ」と、この2問しかないんですよ
今回、孫氏がヤフーによるZOZO買収の橋渡しをした。これで、重圧は一段と強まる。
「楽天をいつ抜くんだ」「アマゾンをいつ抜くんだ」。川邊社長は、そのプレッシャーに押し出されて、日本一のネット通販会社にすることができるだろうか。アスクルの時のような、重圧に負けた焦りは禁物ですぞ。
(了)
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