ボルトン大統領補佐官解任の重大性
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は歪んだ害交=外交姿勢を転換できなければ、日本は世界から孤立すると訴えた9月16日付の記事を紹介する。
米国政治最大の出来事は、トランプ大統領によるボルトン大統領補佐官解任である。
ボルトン補佐官は悪魔勢力の若頭筆頭に位置付けられる人物だ。トランプ大統領施策に対して公然と批判を口にする。そして、トランプ大統領の外交方針を仕切ろうとしてきた人物だ。
2月末の第2回米朝首脳会談。何らかの合意が形成されると期待されたが、予定されていたワーキングランチは中止され、交渉は決裂した。理由は米国が北朝鮮への要求を変えたことだ。
北朝鮮は核の廃絶を経済政策解除に合わせて段階的に実施することを基本方針にしてきた。米国の交渉担当者であるビーガン北朝鮮担当特別代表も、この路線に沿って対応を進めてきた。ところが、米国が突如、方針を変えた。北朝鮮の核廃棄を専決事項とする。いわゆる「リビア方式」が提案された。
リビアは2003年、当時の最高指導者カダフィ大佐が核を含む大量破壊兵器の放棄を宣言。無条件で査察を受け入れ、開発関連資機材を米国に搬送した後、米国は制裁を解除し、国交を回復した。しかし、リビアではその後内戦が起き、反体制派がカダフィ大佐を殺害した。
対北朝鮮交渉でリビア方式を強硬に主張したのがボルトン補佐官である。2月末の第2回米朝首脳会談での合意形成を阻止した。
ボルトン補佐官の対外強硬姿勢は対北朝鮮政策に対するものにとどまらない。米国とイランの首脳会談にも強く反対してきた。イランとの核合意からの離脱を推進したのもボルトン補佐官であると見られる。
ベネズエラの反米政権に対して、武力でこの政権を転覆することを提唱していると伝えられてきた。ロシアへの経済政策緩和に対しても強く反対してきた。
ボルトン氏がトランプ大統領に対しても、公然と批判を展開しつつ、政府高官の要職にとどまってきたのは、ボルトン補佐官が巨大な後ろ盾を有してきたからだと考えられる。
ボルトン氏の後ろ盾こそ、米国の支配者、政権を支配する闇の支配者ディープ・ステイトである。ボルトン氏は米国の対米通商交渉にも関与していた。米中が通商交渉で妥結することを妨害してきたのだと言える。
世界の金融市場、世界経済はトランプ大統領の行動によって振り回されてきた。その「移り気」はトランプ大統領自身のものであると理解されやすいが、そうではなく、トランプ大統領の葛藤というものが存在する可能性も考慮することが必要である。
米国の影の支配者は言うまでもない。巨大資本である。巨大資本は軍事資本、金融資本、多国籍企業に代表される。
トランプ大統領は多国籍企業の意向に反する施策を採用してきたが、軍事資本、金融資本とは相互依存関係を形成してきたと判断できる。
しかし、軍事資本とトランプ大統領は同床異夢である。トランプ大統領は米国が世界の警察官の役割から離脱する方向に軸足を定めている。これに対して軍事資本、軍産複合体は、これに真っ向から反対している。
トランプ大統領が日本の安倍首相に対して売れ残りの兵器を押し売りしているのは、軍産複合体に対する懐柔策であると見られる。
※続きは9月16日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「拉致問題解決の意思と行動力を欠く安倍内閣」で。
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