凸版印刷が仕掛ける「キャンパスラボ」とは何か?(中)
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凸版印刷(株)
リアルターゲットと直接議論し企画化
凸版印刷はキャンパスラボを同社の新たな事業の1つとして位置づけ、開発・運営を中山さんが担当している。同社は印刷業のみならず、若年層向けの商品開発やPR戦略などをさまざまな企業・自治体から委託されている。そのなかで、リアルターゲットと直接議論しながら企画を創っていく「共創マーケティングソリューション」としてラボの価値を感じており、社会課題に向けた学生連携にもさらなる可能性を感じている。
キャンパスラボは「ミスキャンが世の中を変える」をスローガンに掲げ、現在社会課題への取り組みを基軸に置いている。「地域魅力創出ラボ」「セルフケアラボ」「キャリアデザインラボ」の3つのテーマにわかれる。地域魅力創出ラボでは、自治体などとコラボし、観光、食、文化、伝統など地域の魅力を若者視点で見出しながら商品開発やPR立案などを行う。
イベントや広告などに露出するだけではなく、どのような切り口でPRすれば共感が得られるか企画の段階から参加し、若年層に受け入れられやすいSNSや動画などと連動したパッケージでのプロモーションも展開する。地域魅力創出ラボ以外にも、セルフケアラボとして風しん撲滅などの啓発活動や、若者に向けたキャリアデザインラボとして文京区とボランティア機運醸成にも取り組む。プロジェクト設立に際しては、案件、課題などに応じて、専任メンバーで構成されるプロジェクトチーム(○○ラボなど)を編成する。
これまでに手がけたプロジェクト(コラボ企業・自治体)は次の通り。
▽石川県加賀市観光コンテンツ企画「いかが?加賀ラボ」(加賀市)
▽海の京都若年層誘致企画「海の京都遊び隊」(海の京都DMO)
▽地域の特産物を用いたふるさとの香り商品開発「香実ラボ」((株)ZITEN)
▽環境対策としての打ち水文化啓発「ひんやり江戸ラボ」(東京都)
▽ビーチマナーアップ啓発企画「SMART BEACH ラボ」(逗子市・鎌倉市・葉山町)
▽神奈川県風しん撲滅啓発プロモーション「風しん撲滅作戦」(神奈川県)
▽学生ボランティア機運醸成「ホップ!ステップ!バックアップ!ラボ」(文京区)ほか多数。「ぬくもり発見(8県)!九州ラボ」は、九州出身/在住のミスキャンメンバーが、地元に恩返しをしたいという思いで立ち上げた自主プロジェクトだ。「地元・九州の良さを全国に広めたい。地元では当たり前に思われている自然や歴史的なもの、地域産品も、首都圏から見るととても新鮮で目新しいものに映る。同世代に知られていない地域の魅力を若い視点で創出・発信していきたい」という。
九州ラボでは、本活動に賛同する企業・自治体とともにさまざまな地域活性化プロジェクトを行っている。これまでには、鹿児島県の若年女性視点での観光開発や、情報通信研究機構とともに福岡県で行った地域市民との共創プロジェクト「環境×健康スマートIoT実証実験」など、若年層視点を生かしながら、企画段階から地域活性化に取り組んでいる。単なるモデル、インフルエンサー活用ではない、地元を愛するミスキャンメンバーの「リアルな若い視点」を活用した共創活動に注目が集まる。
(つづく)
【大石 恭正】CAMPUSLAB
代 表:中山柚希(なかやま・ゆずき)
凸版印刷(株)情報コミュニケーション事業本部ビジネスイノベーション推進本部 事業創出推進部(同社の新規事業として運営)
所在地:東京都新宿区西五軒町13-1
URL:http://www.campuslab.jp/
<COMPANY INFORMATION>
代 表:麿 秀晴
所在地:東京都千代田区神田和泉町1
創 業:1900年1月
資本金:1,049億円
売上高:(19/3連結)1兆4,647億5,500万円
従業員数:5万1,712名
URL:https://www.toppan.co.jp関連記事
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