中小企業の大廃業時代到来~地銀は生き残れるか(前)
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~中小企業について~
中小企業基本法の(年次報告等)第十一条は、「政府は、毎年、国会に、中小企業の動向及び政府が中小企業に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。
2政府は、毎年、中小企業政策審議会の意見を聴いて、前項の報告に係る中小企業の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。」と定めている。
中小企業は上場企業以外を指す総称となっているが、その内訳は中小企業と零細企業に分類されている。【表1】を見ていただきたい。中小企業庁のホームページから引用したものである。
2017年秋、経済産業省は中小企業に関する衝撃的なデータを発表した。それを要約すると以下のようになる。
(1)日本の中小企業数は420万社。
(2)中小企業経営者の年齢層が最も多いのは65〜69歳。
(3)2025年までにリタイア時期を迎える経営者は約245万人。その半数(127万人)が後継者未定。
(4)後継者未定の60歳以上の事業主の7割(89万人)は、「自分の代で事業をやめる」意向。つまり、「中小企業の約3社に1社が後継者を見つけられなければ、廃業せざるを得ない」状況にあるということだ。大きな問題は廃業する会社の5割が黒字での廃業だということである。このままいけば、2025年までに650万人の雇用と22兆円ものGDPを失うと予想されている。
<まとめ>
今日本で起こっている最大の危機は、人口の減少にともなう地域経済の衰退だけではない。本来、日本の未来を支えなければいけないはずの優良企業が、「大廃業時代を迎えている」という新たな危機が加わることになる。国としても残された5年の間、集中的にその対策を講じることが求められるのではないだろうか。
(つづく)
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