『脊振の自然に魅せられて』「日本山岳遺産九州ブロックシンポジウム開催」

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 日本山岳遺産基金では、未来に残したい日本の豊かな自然環境や、人と自然の関わりを有する山岳地域を「日本山岳遺産」として認定し、その地域で山岳環境保全・安全登山啓発・次世代育成などの活動を続けている団体に対して助成を行っている。母体は登山やアウトドア関係の本を数多く出版している創業95年の「山と渓谷社」である。「山と渓谷社」が発行する雑誌『山と渓谷』は「ヤマケイ」と呼ばれ登山愛好者に親しまれている。

 日本山岳遺産の目的は

  • 次世代育成活動
  • 山岳環境保全活動
  • 安全登山啓発活動

 である
(一部 日本山岳遺産HP引用)

 助成金の内容は登山道整備の費用、避難小屋の設置、シカやイノシシの侵入を防ぐ防獣ネットの設置、山での携帯トイレ普及活動、子どもを対象とした環境学習、生態系保全活動、森林整備と生態系維持に関する啓発活動などさまざまである。

 基金事務局は毎年候補地の募集を行っている。事務局は基金関係者と申請団体の厳格な審査をし、認定した団体に申請金額に基づいて費用を助成している。従って助成金額は一律ではない。

 「脊振の自然を愛する会」は福岡市早良区の推薦で申請し、2019年度に認定された。20年2月15日に東京都千代田区の一橋大学一橋講堂で認定式が行われ筆者が代表で認定式に参加した。

レスキューポイント設置の様子
レスキューポイント設置の様子

 脊振の自然を愛する会の認定は全国で35番目、九州で3番目である。認定基金30万円を基に、脊振山系・早良区エリアにすでに設置してある道標の支柱を利用し、レスキューポイントパネル30本を設置した。これにはドコモCS九州が携帯電話受信調査に協力。レスキューポイントパネルにQRコードを入れ、スマートフォンで読み取ると福岡市のHPにリンクする。

スマホで確認する
スマホで確認する

    スマホには早良区役所制作「脊振へのいざない」の登山地図が表示され、現在地を確認できる。夜間ライトをあてると反射する蛍光素材を使用したパネルは優れものである。これは21年1月号の『山と渓谷』において日本山岳遺産認定活動紹介VOL1として紹介された。

 設置後に早良区役所の協力を得て、登山口に設置した手づくり木製大型登山地図をレスキューポイント付きのイラストパネルにリニューアルした。

リニューアル登山地図
リニューアル登山地図

 九州の日本山岳遺産認定団体は以下の通り。

  • 泉・五箇荘登山道整備プロジェクト(11年認定 登山道・道標の整備 熊本県)
  • 嘉穂三山愛会(16年認定 簡易避難小屋の設置と登山道整備 福岡県)
  • 脊振の自然を愛する会(19年認定 レスキューポイントの設置 福岡県)
  • 新上五島町荒川郷(20年認定 登山道整備活動 長崎県)
  • フォレスト・マントル上鹿川(21年認定 森林保全やその自然を活用した地域活性化の活動 宮崎県)
  • ひじ町ツーリズム協会(22年認定 環境教育活動・登山道整備 大分県)

 25年2月17日(月)、親交も兼ねた6団体のシンポジウムが熊本県八代市で開催された。

会場:桜十字ホールやつしろ
主催:五箇荘地域プロジェクト
共催:日本山岳遺産基金

 日本山岳遺産事務局からは女性2名が東京から参加。マイクロバスで会場に駆けつけた団体もあり、地元の関係者も交え満席であった。

 各代表者は認定地での活動、テーマに沿って発表。それぞれ地元愛にあふれる熱い発表だった。脊振の自然を愛する会からは筆者が博多駅から新八代駅まで九州新幹線を利用し、日帰りで参加した。

 設立の経緯、道標設置、レスキューポイント設置、脊振サミット開催と予定時間をオーバーした発表となった。

九州シンポジウム 右から5人目が池田氏
九州シンポジウム 右から5人目が池田氏

脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

▼関連記事リンク
(レスキューポイント設置についてはコチラ)
『脊振の自然に魅せられて』感謝状授与と活動紹介記事(前)
『脊振の自然に魅せられて』感謝状授与と活動紹介記事(後)
日本山岳遺産基金HP

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