これまで掲載してきた『全管協の闇』シリーズにおいて、全国賃貸管理ビジネス協会(以下、全管協)の名誉会長・高橋誠一氏が自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として与党自民党と近い関係にあることや、全管協の会員企業やその代表者が自民党の党員勧誘活動に際して本来党員となる個人が支払うべき党費を負担している実態について、政治資金規正法上の寄付行為にあたる可能性があることを指摘してきた。
これらの問題を取材していくなかで、全管協九州支部において今年に入って九州支部長・三好修氏((株)三好不動産・代表取締役社長)を支部長から解任すべきという声が上がっていたことがわかった。このような声が上がった背景には、三好氏が全管協の会長を務めていた2023年6月から25年6月の期間における、高橋誠一名誉会長に対する忖度ぶりへの反発がある。
高橋氏らは会員企業に自民党員獲得の過重なノルマを課してきた。高橋氏の後に会長に就いた三好氏は、本来であれば、ノルマに苦しむ会員企業の実情を理解して負担を軽減するよう働きかけるべきであった。しかし、複数の全管協九州支部の会員によれば、「三好氏は高橋氏の意向に沿って、自民党員を増やすよう号令をかけていた」という。
『全管協九州支部で三好支部長の解任を求める声が上がる(1)』では三好氏に対する批判の声を受けて、全管協九州支部が、4月27日付で、支部長である三好修氏と5人の本部理事の連名で、「九州支部役員会の現状と、今後の対応方針について」という文書を出したことを報じた。
全管協九州支部の定例会合で質問相次ぐ
5月8日、当社が全管協をめぐる上記の問題を報じ始めて初めてとなる全管協九州支部の定例会合がホテルオークラ福岡において開催された。なお、日管協九州支部と共同開催されている。全管協九州支部の加盟企業は236社あるが、会場に出席したのは33社、委任状を提出したのは101社、計134社により総会として成立している。
定例会に出席していた全管協加盟企業代表者のAによると、第1号議案から4号議案まで予算などの審議は滞りなく承認されたという。
その後の質疑応答において、複数の九州支部会員から質問が行われた。そのなかで、先だって、全管協本部が本部見解として自民党員獲得問題などに関して水野隆司会長名で全国の加盟企業に対して送付した文書について、定例会に出席した本部理事に対して見解を求める声が上がったという。
具体的にどのようなやり取りが行われたのか、当日の議事録から主に自民党員獲得に関連した箇所を以下に紹介する。
【質問】 (加盟企業A) 全国賃貸管理ビジネス協会から職域支部各県の寄付金について各支部の会費がどのように利用されているか、本部と自民党ちんたい支部の関係について確認をしたい。
・活動費としての職域支部へ寄付金は支部からのお金を支払っているとの認識でよいがまた、これはどこで決まっているのか
【回答】 (三好修支部長)
本部の理事会で決めている。記憶が定かではないが、 今回は総会なので、よく質問を確認してからお答えをしたい。
【質問】 (A)
支部ではその議論はされてないんですね?
【回答】 (三好修支部長) されていません。
(A) そういう認識がなかったものですから、お金の出処、とくに何に使われているのか自体が分かりにくい。ほぼ分からないといったほうが良いと思います。認識がないので。僕は職域支部を解散ということをやった人間ですので、 一時期、全管協に寄付の分を返せと言われました。それ、三好支部長より言われました。
(三好修支部長) そうです。
(A) その分も含めて、どういうことなのかということです。このあたりもしっかり明確にしてほしいと思います。ぜひお願いします。今いろいろなことが起こっています
けれども、すべて一番たいせつなことなので、ぼやかすことではなく、それについてのお話です。よろしくお願いします。
【意見】 (B) 「九州支部今後の方針について」すばらしいことをかいてらっしゃいますが、しっかりとした過去の清算も必要ではないかと思っております。
【質問】(B)
水野隆司会長の 2025年12月1日~2026年4月 24 日ご報告とする 8通の、水野隆司会長名の「親展重要文書」は本部理事の了承を得ているのか
・水野隆司会長名の「親展重要文書」は、この文言に対して皆さんの承認を得てやっているのか、また、毎回、水野隆司会長の「親展重要文書」の最後に、「今回のご報告と以下のご報告はすべて全国賃貸管理ビジネス協会 (全管協)の公式見解です。」と書いてありますが、理事の皆さんはご存じのうえで郵送している状況なのかということも合わせてお聞きしたい。
【回答①】 (三好修支部長)
・正直に申し上げて、我々のところに承諾をまた、理事会に出すというのは出ていません、今のところ。会長と事務局を中心につくられた。我々が事前に原案を見たということはございません。
【回答②】(九州支部理事)
知らない。我々も皆さんと一緒で、会社に送ってきて初めて知る。
【質問】(B)
今まで何人か質問や意見したことを本部にもって行って聞かれるということですね。
【回答】 (三好修支部長) はい。
【質問】 (B)
水野隆司会長の「親展重要文書」の郵送物の経費、コピー代、どれくらいかかっているのでしょうね。しっかり調べていただきたい。
【回答】 (三好修支部長) はい。
【意見】 (C) 多数決偏重や都度ルール変更への懸念を表明 是正を要請
いまのこの業界のルールをいうと、何か質問したらルールを変えていくのは良くないと思う。要するに多数派で合意したらこのことは何でも通るという考え方で。賛成多数で決めました、その後勘違いだった。こういうことは世間では通用しません。
――ここまで議事録
三好九州支部長は取材拒否
本来、会員からの質問に対して全管協九州支部長で前会長・三好修氏を含め本部理事は真摯に答える義務がある。ところが「(水野会長名の文書について)読んでいない」と回答している。本部の公式見解の文書として出されたものについて、本部役員が知らないということはどの組織でもあり得ない話である。
こうした姿勢が九州支部の会員のなかで支部長である三好氏への不信感につながっているのではないだろうか。当社は三好氏に文書で取材を申し入れたが、5月29日に(株)三好不動産社長室名で、「取材対応は一律で見合わせていただいております」との回答があった。
ある九州の全管協加盟企業の代表は「取材を受けたら困ることがあるのだろう」と推察しつつ「本部から文書が出されたのは『全管協をよくする会』の活動が広がってきたなかで、よくする会の活動戦意を削ぐ意図があるのだろう」と指摘し「よくする会が求める第三者委員会を設置して疑義に対して中立的な立場で検証し、公表すればいい話だ」と語った。
(つづく)
【近藤将勝】








