【業界ウォッチ】ドン・キホーテ「マシュマロ構想」
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小売業では、AI・ITの活用によるデジタル化の動きが活発化しており、物流、在庫管理、情報システムに限らず、店舗の魅力を高めることにも活用しようとしている。
「ドン・キホーテ」のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は10月17日、小売業の新たな時代への対応、より良い店舗体験、お客様理解を深めるためのイニシアチブを「マシュマロ構想」と名づけ、同構想の推進のための完全子会社のマシュマロを設立した。
マシュマロは、PPIH グループと最新テクノロジーとの融合の橋渡し役となり、オープンイノベーションを推進することで、外部のあらゆるリソースを活用し、「プライシングの最適化」・「消費者ニーズ分析」・「新たな金融サービス」などを行っていく。
まず、10月から、プライシングの最適化、回転率の効率化を図ることにより、新たな商品展開をつくり上げるプロジェクトを始動した。
グループとして、初めてAI の技術を導入し、商品施策をドンキが得意な「勘と経験と度胸」×「データで科学する」体制にすることを目指す。
グループが得意とするお客さま視点の自由な発想の商品施策を科学し、他社には真似できないブルーオーシャンをつくり上げようとしている。インフルエンサーマーケティングに強みをもつFISM と資本・業務提携し、11月から、SNS 上の嗜好性と購買行動を解析し、顧客と店舗の結びつきをより深く、よりクリエイティブに進化させていくプロジェクトを立ち上げる。
さらに、今夏に10 代のインターンを受け入れ、このインターンシップの期間中に10代ならではの視点で店舗や商品に関する多くの提案が得られたことから、来年1月からは、10 代限定のPPIH グループに対する諮問委員会を設置する。
重要な顧客セグメントとしている若年層の顧客と同時に、これからの日本を支えていく10 代のメンバーによりPPIH グループのさらなる発展に向けて、未来志向に次世代の小売業を考えていくプロジェクトと位置づけている。
また、Plug and Play Japan と業務提携、「アクセラレータープログラム」を推進し、リテール分野、金融分野におけるスタートアップとのコラボレーションによりイノベーションを創出するプロジェクトもスタートさせ、スタートアップへの投資も検討していく。
これらはいずれも先進的な取り組みで、PPIHをさらなる高みに導くことができるか、注目される。
【西川 立一】
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