2024年12月22日( 日 )

「博多で一番」を目指してたゆまぬ努力を

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病院経営
(医)輝栄会

福岡輝栄会病院
福岡輝栄会病院

24時間365日「断らない」救急

 輝栄会の前身である「中村小児科医院」は1961(昭和36)年に福岡市東区の香椎宮前で開院した。97(平成9)年に現在の「福岡輝栄会病院」へと名称を変更し、2018年6月には千早4丁目に新築移転した。

 同院は地域の二次救急を担うとともに回復期リハビリテーション病棟において良質なリハビリを提供している。また、法人内には高齢者複合施設「トリニテ松崎館」「トリニテ千早館」を要し、地域包括ケアシステムの一翼を担っている。輝栄会の中村吉孝理事長に福岡輝栄会のこれまでとこれからについて聞いた。

理事長 中村 吉孝 氏
理事長 中村 吉孝 氏

 中村吉孝理事長(以下、中村) 福岡輝栄会病院では、大きく分けて急性期医療、慢性期医療、リハビリテーションを行っています。急性期に関しては地域の二次救急を担い、24時間365日「断らない救急」を標榜しており、福岡市東区で救急搬送が多い病院です。来た患者さんは決して断らない「町の病院」といえば当院の立ち位置がイメージしやすいかもしれません。

 リハビリテーションついては、作業療法、理学療法、言語聴覚療法、運動療法、心臓リハビリなど、一般的にリハビリを行わなければならない疾患の患者さんすべてを受け入れています。急性期から回復期、生活期までの患者さん各自の状態に合わせたオーダーメードのリハビリを提供し、患者さんが住み慣れた地域で生活ができるようにしています。

リハビリテーションの様子
リハビリテーションの様子

昨年、新病院が開院

血管造影撮影装置
血管造影撮影装置

 中村 18年6月に病院をこの地に新築移転しました。旧病院は築30年が過ぎ、老朽化が目立ってきていました。また、増改築を繰り返してきたため動線が複雑で、患者さんからは「迷子になる」というお声もいただいていました。

 新病院になって患者さんから「きれいになって良くなった」というお褒めの言葉をいただき、職員一同喜んでおります。病院には何よりも清潔感が求められます。新病院になって患者さんのみならず、近隣住民の方の当院に対するイメージもずいぶん良くなったのではないでしょうか。

 当院では雰囲気の良い職場づくりを心がけています。病院という「職場」は油断すると雰囲気が悪くなってしまいがちです。技術者集団なので、ベテランになって技量が上がってくると、どうしても「とんがって」しまいがちなのです。そのような職員が部下をもつと頭ごなしに部下を叱りつけるなど「パワハラ」的な言動をして職場の雰囲気が悪くなってしまいます。しかし、当院ではそうした言動を決して放置せず、常に雰囲気の良い、風通しの良い職場づくりを心がけています。

 職員には「たとえ新人といえども温かみをもって接するべし」と常々指導しています。それもあってか、当院を辞めて他の病院に就職した人たちからは「輝栄会は非常に雰囲気が良く、働きやすかった」というお声をいただくことが多いですね。

 また、当院では職員の結婚・妊娠・出産を奨励しています。出産時は当然のように産休・育休を積極的に取得してもらいますし、復帰後、希望があれば時短勤務も可能で、ワークライフバランスを保った働き方が可能です。

MRI
MRI

博多で一番を目指すために

 中村 今後力を入れていきたいのはソフト・ハード両面における「レベルアップ」です。ソフト面では「博多で最も接遇が良い病院」、技術面では「博多で最も腕の立つ病院」になるのが目標です。

 公的病院の場合、どんなに接遇が悪くても、どんなに医療の内容にクエスチョンマークがついても公的病院という「看板」があるため自然と患者さんが集まってきます。しかし、我々のような民間病院の場合、そうはいきません。診療内容、医師・看護師、事務職員の接遇が良くないと患者さんからの評価を得られません。「博多で一番」を目指すために今後もたゆまぬ努力をしていく必要があるのです。

 医療の世界は日進月歩です。ひと昔前は聴診器で行っていた診療も今は超音波装置を使うし、外科であれば全例開腹手術だったのが、今はほとんどの場合、腹腔鏡手術を行います。進歩していく医療に対応するためにドクターは、日々勉強する必要があるし、最先端の知識・技量を身につけたドクターを招聘する必要もあります。

 医師のレベルアップのために当院では補助を出して積極的に学会に行ってもらっています。医療人は、とにかく日々学び続けることが何よりも重要なのです。

「なんでも診る」というスタンスで町医者マインドを忘れずに

 中村 当院には総合診療部があります。総合診療部ではどの診療科を受診したらいいかわからない方、病名がわからない方に最適な医療を提供しています。

 当院のような「町の二次救急病院」では「なんでも診る」というスタンスが求められます。もちろん専門の診療科での診療がベターな場合は紹介することもありますが、できるだけ当院で医療を完結するように心がけています。「うちでは診られないからあちらの病院へ、この疾患はこちらの病院へ」というのでは患者さんに多大な負担をかけてしまいます。

 昔の診療所は戸板に乗せて運ばれてきたような患者さんを、たとえ夜中でも診ていたものです。そうした「町医者マインド」を決して忘れてはいけないと思っています。

すべての職員を「一人前の医療人に」

 中村 私は組織というものは何よりも助け合いが必要だと思っています。山本五十六の言葉に「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」というものがあります。当院では教育方針として、この言葉を実践するようにしています。

 当院には20代から60代まで500人以上の職員が在籍しています。物覚えが早い人もいれば、遅い人もいるのは当然のことです。それらすべての人を一人前の医療人に育て上げることが我々の役割の1つだと思っています。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:中村 吉孝
所在地:福岡市東区千早4-14-40
設 立:1961年1月
TEL:092-681-3115
URL:http://www.kieikai.ne.jp

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