九州地銀の2020年3月期 第2四半期(中間期)決算を検証する(6)
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【表1】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の20年3月期(通期)の連結業績予想表である。
~この表から見えるもの~
(1)金融グループの当期純利益予想順位表
・1位はふくおかFGで、前年比+968億5,100万円の1,485億円(前年比187.5%増)。大幅な増加となっているのは、十八銀行を経営統合したことにともなう負ののれん発生益1,174億3,300万円による。
・2位は九州FGで、前年比+5億9,800万円の228億円(前年比2.7%増)。今年は当期純利益および経常利益とも西日本FHを上回る予想となっている。
・3位は西日本FHで、前年比▲18億9,900万円の210億円(前年比▲8.3%)。
(2)九州地銀(18行)の当期純利益予想順位表
北九州銀行を除き、九州地銀17行の当期純利益、経常利益とも前年比マイナス予想。当期純利益を赤字予想しているのは、ふくおかFGと経営統合した十八銀行だけとなっている。
・1位は福岡銀行で、前年比▲39億800万円の464億円(前期比▲7.8%)。
・2位は西日本銀行で、前年比▲19億7,000万円の180億円(前期比▲9.9%)。
・3位は肥後銀行と鹿児島銀行で、肥後銀行は前年比▲4億9,500万円の120億円(前期比▲9.9%)。鹿児島銀行は、前年比▲2,400万円の120億円(前期比▲0.2%)。
・5位は宮崎銀行で、前年比▲21億2,900万円の76億円(前期比▲21.9%)。
・6位は大分銀行で、前年比▲10億5,900万円の47億円(前期比▲18.4%)。
・7位は北九州銀行で、前年比+13億6,600万円の39億円(前期比53.9%増)。北九州銀行だけがプラス予想となっている。
・8位は熊本銀行で、前年比▲7億6,500万円の30億円(前期比▲20.3%)。
・9位は佐賀銀行で、前年比▲6億3,600万円の20億円(前期比▲24.1%)。ここまでか当期純利益が20億円以上の銀行。以下、筑邦、南日本、宮崎太陽、豊和、福岡中央、15位の親和銀行までが3億円以上の当期純利益を予想している。
・16位は長崎銀行で、前年比▲1億7,500万円の5,000万円(前期比▲77.8%)。
・17位は佐賀共栄銀行で、前年比▲2億4,600万円の1,000万円(前期比▲96.1%)。
・18位は十八銀行で、前年比▲122億7,000万円の▲80億円(前期比▲287.4%)。▲80億円の当期純利益予想は、経営統合にともなう特殊費用(うち70億円は店舗の統合によって統合される店舗の不動産などの評価損)などによる。
<まとめ>
北九州銀行や特殊要因により赤字計上した十八銀行を除き、九州地銀16行の当期純利益および経常利益は、前期比大幅な減益予想となっている。
月刊誌「選択」10月号に、『金融庁が再編を強要する「地銀リスト」』に、32行が掲載されている。九州地銀では、筑邦銀行、佐賀共栄銀行、佐賀銀行、大分銀行の4行の名が出ている。
日銀のマイナス金利政策の影響や人口の減少にともなう地域経済の縮小などにより、経営統合は「待ったなし」の時期にきているのではないだろうか。
(了)
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