2024年12月24日( 火 )

中国経済新聞に学ぶ~ブロックチェーン、中国でどう応用されるのか(後)

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 実際には、1年前の5月28日、習主席は、中国科学院第19回院士大会、中国工程院第14回院士大会の重要談話で、ブロックチェーン・人工知能、量子情報、モバイル通信、モノのインターネットなどを全て次世代情報技術の代表として列挙した。

 ISO/IEC JTC1モノのインターネット・ブロックチェーン融合研究クループの責任者を務める沈傑氏は、「習主席は今回の談話でも、ブロックチェーンをこれほど重要な位置に置いたのは、ブロックチェーンやモノのインターネットなどの技術の分野で他国の制約を受けたくないということ。習主席は今回、基礎技術研究、業界での応用実施、デジタル経済の商業奨励スタイル融合など、ブロックチェーンをめぐる3つの側面の発展に関して、明確な指示を出した。それにより、業界の今後の発展やイノベーション・ブレイクスルーの方向性がよりはっきりした」と説明する。

 中国科学院コンピューター技術研究所の博士研究員である、中科声竜科技発展(北京)有限公司最高経営責任者(CEO)の汪福全氏によると、サトシ・ナカモトが2008年にブロックチェーンという技術とそれを利用したビットコインを提唱した。そして、2014年ごろになると、専門技術として注目を集めるようになった。

 汪氏は、「分散型台帳技術というのがブロックチェーンの最も分かりやすい説明だ。つまり、異なる主体が管理するサーバーが1つの台帳を管理するという方法だ」と説明する。

 「これまで、銀行や企業、個人などは、関連の台帳の記録やデータの記録を集中化するか、単一の責任主体が記録するかしていた。そのため、データ改ざんなどの信頼性に関係する問題が起きやすく、それが理由で業務プロセスのコストも高かった。一方、ブロックチェーン技術は、分散型台帳・データ保存を実現しているため、データが改ざんされる可能性が極めて低く、データが真の意味での信頼と価値を持つようになり、それが一種の新しい資産になる可能性を持たせる。そして、社会全体に計り知れないほどのイノベーションソースをもたらす」と説明する。

 マイクロソフトリサーチの元主席研究員の王嘉平氏は、「現在、たくさんの情報システムは孤立しており、さまざまな機関によってコントロールされている。ブロックチェーン技術は、データの表示を基準化するだけでなく、コンピューターのロジカルも基準化し、一層基準化されたスタイルで事務処理を行うことができる。これは情報サイ口の解決につながる」と語る。

 汪氏は、「ビットコインをめぐっては大きな論争があるため、ブロックチェーン技術もずっと懐疑的な見方がある中で発展を続けている。しかし、ブロックチェーンは、インターネットよりも大きな変化を世界にもたらす技術の方向性かもしれない」との見方を示す。

(了)


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