磐梯山麓の雪割草(ユキワリソウ)
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千葉茂樹(福島自然環境研究室)
雪国の磐梯山にも、春を告げる雪割草(ユキワリソウ)が咲き始めました。私が住んでいる福島県猪苗代町では、まだ雪が残っています。そんな中、雪が解けて地面が顔を出したところから、雪割草が咲き始めました。今年は、残雪が多く、例年より2週間ほど遅い開花です。小さな花で直径1~3cmのため、注意して見ないと、気が付きません。また、地面から花芽が出て、その後に葉が出てきます。ですから、この時期は、地面から花だけ出ている場合もあります。
この花は、残雪のなかから花を咲かせるので雪割草と呼ばれています。植物名としては、スハマソウ、あるいはミスミソウです。写真の磐梯山麓の雪割草は、30年ほど前に植えられたそうです。その後、植えられたこと自体が忘れ去られ、夏は草ぼうぼうのところで生きています。私は5年前の雪解けの時期に、この花を見つけました。あまりにひどい状況なので、2年前の初夏、雪割草の周りの草をむしって、日当たりを良くしてあげました。昨年の春は約500株ありました。しかし、株自体が小さく1株に花1~3輪というものが多いです。地元でもこの場所は忘れ去られ、写真を撮っているのは私だけです。今年は、まだ雪が残っていますので、5月上旬ぐらいまで、花を見ることができるでしょう。
撮影データ:SIGMA SD15 50mmF2.8 MACRO(SIGMAのカメラは、磐梯山麓で製造されています)
<プロフィール>
千葉茂樹(ちば・しげき)
福島自然環境研究室代表。1958年生まれ、岩手県一関市出身、福島県猪苗代町在住。専門は火山地質学。2011年の福島原発事故発生により放射性物質汚染の調査を開始。11年、原子力災害現地対策本部アドバイザー。23年、環境放射能除染学会功労賞。論文などは、京都大学名誉教授吉田英生氏のHPに掲載されている。
原発事故関係の論⽂
磐梯⼭関係の論⽂
ほか、「富士山、可視北端の福島県からの姿」など論文多数。関連キーワード
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