2024年11月22日( 金 )

山本太郎氏が候補者調整の条件や政治への覚悟を語る 甲府

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 れいわ新選組の山本太郎代表は16日、山梨・JR甲府駅南口で街頭記者会見を開き、独自に選挙に挑む場合は反緊縮などを条件に候補者調整する考えを示すとともに、日本の独立を目指す上で降りかかるさまざまな妨害に対して「覚悟はできている」と胸中を明かした。

 午後6時から始まった会見には、市民約200人が参加。厳しい冷え込みのなか、約2時間にわたり質問や意見に答えた。

集まった聴衆と意見を交わす山本氏(2019.12.16筆者撮影)

 最初に筆者が、会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」所属議員54人が消費税減税の方針を求める署名を執行部に提出したことを追い風に、立憲民主党の枝野幸男代表らに次期衆院選で消費税5%での共闘を直接呼び掛ける考えはあるかと尋ねた。

 これに対し、山本氏は「いつ解散があるかわからない」としながらも、「解散風が吹いてきたら、お互い話し合う状況をつくらないと。最終的な意思の確認は必要」と答え、会談を設けることを排除しなかった。

 消費税5%で合意できなかった場合、れいわは11ある比例ブロックを中心に100〜131人の候補者を独自に擁立する考えを表明している。その際、ほかの野党候補との調整の条件について、「立候補者が反緊縮か、消費税5%まで下げていくと考えているかどうか」と明言。

 20年以上続くデフレで国民の多くが生活困窮に陥り、格差も拡大している現状を挙げ、「大胆な財政出動でこの国を救う考えをもてない人には、バッティングする場合、遠慮なく立てさせてもらう」と争う構えだ。

 一方、「私たちのような考えの下、消費税はいったん5%に下げる、財政出動は大胆にすべきだという考え方をする人が1人でも多く生き残らないと、その後の合意形成が前に進まない」と述べ、選挙後の財政政策をにらんだ戦いを構想する。

 一般の男性が、日銀の株主構成への疑問から、「日本人のことを考える政党になってもらうには、命を懸けなければ。太郎さんは日本の独立を考えていると思うが」と向けた。

 山本氏は、「私たちがやろうとしていることには、かなり大きなハレーションがある。そういうことをやってくれるなと思っている人たちがいるから」と述べ、法人税の累進制化や所得税の累進制強化、特別会計の暴露、新規国債発行、野党共闘にも危険が付きまとうことを示唆した。

 「私たちに不利益があるかどうかはどうでもいい。やりたいんだから。覚悟は決まってる。じゃなかったら、わざわざこんな面倒くさい世界に足を踏み入れて、自分で旗揚げするか」と胸中を明かした。

 さらに「米国との関係もそう」と、米国の言い値で武器を買わされるFMS(対外有償軍事援助)や1都8県の航空管制が奪われている横田ラプコンの問題を挙げ、「あり得ない。変えていきたい。だって、この国は日本だぜ」と訴えた。

 一方、「そうすることで、自分の地位を守ったり、安定していたりすることが脅かされる。財務省も。あの野郎と思う人もいるだろう」と述べ、身を守る第一の方法は、脅されたら「殺すって言われたんです、皆さん」などと情報を赤裸々に国民に伝えることだとした。

 そのうえで、「私もしんどいがこのツアーを一緒に回っている仲間たちはもっとしんどい」と謝辞を伝える。「お金の問題ではない。世の中を変えたい。こんな面倒くさいこと、手のひらを返すくらいなら、海辺で静かに暮らしたい」と覚悟を強調した。

<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)  

 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。

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