武漢など中国現地の声 日本の支援への感謝も
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武漢の状況
中国現地の友人、武漢に親戚がいる友人、中国とのかかわりが深い旅行業界関係者などに話を聞いてみた。
親戚が武漢市在住のA。「武漢で勤務している従弟は実家の湖南省に帰省せず、武漢にとどまっている。健康だ。生活の必要上、外出することはあるが、ほとんどマンションの自室にいるようだ。29日に買い物のため外出した際に写真を撮ってもらったが、人は少なく、皆マスク必須である」。
北京市在住のB。「自分の周囲には自覚症状のある人はおらず、感染しないよう意識しており、感染について強く心配はしていない。ただ、心配なのはどれだけ事実を把握できているかということである。中国では報道のほか、SNSでいろいろな情報が流れるが、確かと思える情報は少なく、むしろ海外で詳しく報じているのではないかと懸念している。自分はすでに定年退職しており、家族は皆大丈夫なので、海外に行くつもりだ」。
日本の支援に感謝
天津市在住のC。「天津のような北方の都市の状況は比較的良い。外出はできるが、この状況下であえて外に行こうという人は少ない。大量の食材を買い込み、家で料理し食べている。日本の皆さんにご迷惑をかけて申し訳ない。皆さんも気をつけて欲しい。中国のメディアは日本が中国に援助を行っていることを連日報じており、皆とても感動している。ありがとう」。
江西省在住のD。「自分のいる南昌(同省省都)は比較的武漢に近いが、ここに住んでいる家族、親戚は大丈夫だ。ただ、武漢から500万人の人が市外に出たと報じられており、南昌までは高速鉄道で2時間半の距離であり、心配だ」。
新疆ウイグル族自治区に帰省中のE。「新疆にも感染者はいるが、自分のところは湖北省から離れており、こちらではそれほど深刻ではない。ただ、上海で勤務しており、春節休暇明けに合わせて戻ることはしない。2月中旬に状況を見て判断するつもりだ」。
山東省在住のF。「政府は旅行会社にできるだけ人々を海外に行かせないように伝え、国内の主な観光地も閉鎖した。街を歩いている人は非常に少ない。自分たちも外出せず家にいる。春節休暇期なのに非常に退屈だ」。
上海在住のG。「何もすることがなく、スマホでチャットをし、タイムライン、ニュースを見るだけだ」。
春節休暇明けに国内大移動再び
福岡で長年旅行業に携わる旅行会社社長は「来週から春節休暇明けとなり、学校は休校となるようだが、企業などへの出勤のため再び人々の大移動が起きると感染が再度拡大する」と懸念を示す。
また同氏によると、現在は中国各地から支援物資が送られ、医療品は不足しているが、食品については市民の物質的不安はないという。ただ、長引けば状況が変わり、噂がいろいろと広がり、人々も右往左往するであろうと述べる。また、中国政府は情報を公開しているとはいえ、中国人の間でそれらが本当の数字なのかどうかという疑問が湧いており、また初期に対応、情報公開が遅れたこともあり、湖北省、武漢市の指導者への不満は募っているようだ。
中国の新型コロナウイルスの患者数は29日時点で延べ7,711人、死者数は計170名となった。
【茅野 雅弘】
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