2024年12月22日( 日 )

新型コロナウイルス大流行~中国人たちの対照的な反応

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(1)国を捨てる

 上海の事業家Aは成功した部類に入る人物で、妻は日本(東京)に留学した経験もある。この夫婦は東京にたびたび立ち寄っているので土地勘があり、マンションも3室購入している。

 1月24日、Aは家族4人で電光石火のごとく来日した。「当分、上海には帰らない。今回の奇病が沈静化するまで東京に滞在する。知人・友人たちのなかにも東京に逃げてきた者がいる」とAは打ち明ける。

 お金持ちは家族を守るために国も平気で捨てるのである。

(2)家族愛

 友人夫婦B(日本人)は2月にベトナム旅行を企画していた。この夫婦の長男の嫁は中国人である。彼女は義理の母に「お母さん!貴女は高齢なので免疫力が弱くなっています。もしコロナウイルスに感染したら死んでしまうので、ベトナム旅行を中止して!」と泣きながら懇願したという。友人である旦那も息子の嫁が、ここまで必死に訴えるのを無視するわけにはいかず、旅行の中止を決断した。いやぁ、中国人の家族愛には感服する。しかし、「中国ではなく、ベトナム旅行まで中止しなければならないのか」という疑問は残る。

(3)泰然と構えられるC

 Cの奥さんの出身は武漢である。この夫婦は福岡に定住して10年、子どもは小学生になる。武漢の情勢は刻々、入ってくる。奥さんの両親は上海へ移住したとか。

 Cは「コロナウイルスは当分の間、伝染の勢いが止まらないだろう。しかし、高い気温には弱いから、6月までには収束するだろう」と泰然としており、分析に余念がない。「ただ懸念材料は経済の落ち込みである。今年前半の中国経済の状況は厳しいと認識する必要がある」と見通しを語る。

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