2024年12月22日( 日 )

【デマ注意!/ファクトチェック】新型コロナウイルスと「バイオハザード」の奇妙な一致点

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■「武漢市はラクーンシティだ」の書き込み

 TwitterなどのSNSで、新型コロナウイルスについてのデマが拡散している。あるツイートでは、新型コロナウイルスによるパニックを、人造ウイルスで人間がゾンビ化する映画『バイオハザード』(欧米での公開タイトルは『Resident Evil』)シリーズに見立て、不安を煽っている。

 「So a Level 4 (highest level) Biolab in Wuhan has the same logo as the umbrella Corp from Resident Evil. Racoon city is the Zombie town in the RE game and Corona is a anagram for Racoon... WTF is going on!! The matrix is broken」

 要約: 武漢市にあるレベル4〈最高レベル〉のバイオラボは、映画『Resident Evil』のアンブレラ社と同じ「傘」のロゴ。ラクーン市はResident Evilに出てくるゾンビの町で、「コロナ」はラクーン市〈Racoon city〉のアナグラムだ。

 画像は、バイオハザードシリーズに登場する巨大企業「アンブレラ社」と、「武漢にあるレベル4(最高レベル)のバイオラボ」のロゴが似ていると指摘したツイート。同ツイートではさらに、コロナウイルス(Corona-virus)の「CORONA」は、同映画の舞台となる「ラクーン(RACOON)市」のアナグラム(※)だと指摘する(※アナグラム=単語の文字を入れ替えることで別の意味にする言葉遊び)。

(CORONAの文を入れ替えるとRACOONになるというアナグラム)
(CORONAの文を入れ替えるとRACOONになるというアナグラム)

■実態は健康食品の販売

 このツイートで「ロゴがアンブレラ社と同じ」と指摘された「上海瑞藍生物科技有限公司」(シャハイ「ルイラン」)は昨年設立された企業。HPによると上海瑞藍社は武漢ではなく上海市に実在する企業で、ポリープ(腫瘍)や免疫分野の研究を行っているという。上海市保健局に属する研究所だが、「最高レベルのバイオラボ」というよりは健康食品などの製造・販売会社といったほうがイメージに近い。

 データ・マックス編集部では上海瑞藍社に電話取材を試みたが、春節で連休を取っているためか応答がなかった。

【特別取材班】

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