山本太郎氏が19年度補正予算を酷評、「中身も額も不十分」
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れいわ新選組の山本太郎代表は2日、1月30日深夜に成立した2019年度補正予算について「中身としても額としてもまったく足らないし、不十分」と徳島市内での対話集会で筆者の質問に答えた。
「アスティとくしま」で開かれた「おしゃべり会」には、市民約300人が集まった。最初に報道陣から質問を受け、筆者が同補正予算への評価をただした。
総額4兆4,722億円の歳出は、昨年相次いだ自然災害からの復旧費用や防災・減災対策2兆3,086億円や、経済の下振れリスクへの対応9,173億円、東京五輪後の景気対策1兆771億円に振り向けられる。経済の下振れリスク対応には、「就職氷河期世代への支援」86億円も含まれる。
山本氏は「災害がパッケージのなかの大きな部分になっている。防災の観点は必要」とする一方、「昨年の台風15、19号の被害から立ち直れていない被災者がたくさんいる。そういうところの手当はすでにやったという考え。そんなのありか。ないですよ」と問題視した。
山本氏は実際に台風被災地に足を運んだ体験から、事態の深刻さを振り返った。水害で1階部分が水に浸かった家には、土砂も入り込む。水がはけるのを待って床をはがす。壁まで水が上がっていれば、壁も使い物にならない。泥をすべてかき出し、乾かして消毒した後、床板をはめなければならない。
しかも、現行の被災者生活再建支援制度では、床上浸水1m以上の「大規模半壊」の場合、50万円の基礎支援金と建設・購入で最大200万円の加算支援金の給付が受けられ、1m未満の「半壊」の場合はいずれも支給されない。
「地方では結構、家も大きめで、リフォームに1,000万円くらいかかる。そんなの無理じゃないか。1階部分を放棄して2階で暮らしていても、浸水したままではいけない。泥をかかないとカビが発生する。今これやるの、家の人とボランティアしかない」
山本氏はこう述べて、被災家屋の復旧作業にも予算付けする必要を訴え、放置すれば日本経済にも大きな打撃になるとの考えを示した。作業に当たる人員として、「運用の変更も必要になるだろう」としながらも自衛隊の活用を提案した。
他方、「就職氷河期世代への支援」に触れ、「ハローワークのなかに仕事につながる特別デスク、コンシェルジュ的なものを置く話だが、それ誰にやらせる? パソナかみたいな話」と、国家戦略特区や未来投資会議(旧・産業競争力会議)を通じた竹中平蔵氏のいつもの我田引水をけん制した。
山本氏は「スキルアップも必要だが、一番必要なのは低廉な家賃もしくはただで住める状況を担保すること。住まいを確実に確保した後、スキルアップにつながることを国がやらないと、氷河期世代の不安定をなくすことはできない」と指摘。
そのうえで、「予算の中身としても、額としてもまったく足らないし、不十分だ」と断じた。一部野党のなかにも災害の部分が含まれているから、反対しづらいみたいなことをいう人がいるが、中身を見て見ろよ。被災者救っているか」と補足した。
同補正予算の採決では、衆院で国民民主党の篠原孝・下条みつの両議員が欠席した。両氏とも昨年の台風で大きな被害を受けた長野県の選挙区選出。参院では、同じく長野県選出の羽田雄一郎(国民)のほか、福島県選出の増子輝彦(ましこ・てるひこ)議員(同)と宮城県選出の桜井充議員(無所属)が賛成した。
山本氏は昨年秋の九州・東北の街宣ツアーの合間にも台風災害に遭った地域を訪れ、被災住民の話を聞いて回った。
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