新型コロナウイルス、輸入建材関係の調達にも影響
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新型コロナウイルス感染拡大の影響が、建設業界にも出始めているという。福岡県内の戸建事業者は、以下のように話す。
「弊社の場合、戸建住宅用の資材は主に輸入建材を使用しておりますが、今回のコロナウイルス感染拡大にともない、供給が滞っています。材料が手配できないため、工事が一時的にストップしている物件もあり、今後工期の遅れなどの影響が徐々に顕在化してくるでしょう。他社にも問い合わせしてみましたが、聞く限りだと、輸入建材に頼っている業者はどこも似たような状況だそうです」
同社は既存業者だけでなく、ほかの業者に手配を依頼するなどして、材料の確保に走っているという。
2018年は、建設需要の急激な高まりに対して、建設用の高力ボルトの生産・供給量が追い付かなくなる事態が生じた。先々の調達不安を懸念した関係各社が、通常より多めの量を一斉に発注、もしくは複数のメーカーに同時発注をかけたことで、もともとあった国内の在庫が枯渇。ボルトの生産が追い付かず、建設現場で品が不足する事態が生じてしまったのだ。
同様の事態は、今回も十分に起こり得ると考えられる。業界関係者(とくに大手と呼ばれる企業や団体)は、先のボルト不足の教訓を生かし、「我先に」と材料を買い占めるのではなく、まずは過剰発注を抑制することに留意すべきではないだろうか。
個々の企業努力だけでは限界がある。業界の仕組みとして、「必要な場所に必要な分だけを納品する」に加え、他社と随時情報を共有し、必要であれば材料をシェアするなど、人だけでなく、企業同士も「助け合い」の精神でこの局面を乗り切ってほしい。
【長谷川 大輔】
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