【ベトナム視察記(2)】ハノイの家賃事情と日本人駐在員
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ベトナム・ハノイを訪問した。ベトナムの平均年齢は31歳と、少子高齢化がすすむ日本と比べ15歳以上も若い。人口はもちろん増加中で、若年層に限ってもさらに増加していくと予測されている。
ベトナムの若者も日本と同じく、都会へ移住する傾向にある。日本では、学生でも一人暮らしが一般的だが、ハノイの若者は2人以上でのルームシェアが一般的。家賃は日本円で1万円程度、現地の住民に聞いたところ、平均月給は日本円換算で3万円から4万円だというから、所得に対する家賃の割合は日本とそう大きくは変わらないようだ。
ベトナム・ハノイの住宅だが、かつて間口で課税されていた名残で、市内の住宅は鰻の寝床のようなものが一般的。間口が狭く奥に広いのが特徴だ(3~4階建の建物が多く、最上階は生活空間ではなく先祖を祀るための部屋、階段はなぜか螺旋階段が多い)。市街地にはびっしりと細長い建物が敷き詰まっており、古い建物も多い。近い将来、再開発によってまちが生まれ変わることが容易に想像できた。
ベトナムでは持ち家思考も高まっているという。郊外の住宅は70〜100m2で1,000万円程度、700万円くらいから買えるようだ。住宅ローンで家を買うという概念はあまりなく、基本的には現金買い。ハノイ市民に聞いたところ、ローンで家を買うには「月給8万円くらいないと難しいのではないだろうか」と話してくれた。
今回のベトナム視察では、日系企業の現地駐在員(日本人)に話を聞く機会を得たが、彼が住んでいるのはハノイ中心部の高層マンション。広さは約120m2で、家賃は日本円にして30万円ほどだという。マンションの詳細なスペックはわからないが、福岡市内の高級住宅地の家賃と同じもしくはそれ以上の高級マンションだ。
この駐在員は、ベトナム語をほとんど話せないが、「生活は快適」という。ハノイやホーチミンなどの市街地では、配車アプリ・グラブ(Grab)が普及しており、10~15分ほどの移動で100円程度と安いのが魅力。言葉を話す必要もなく、何よりボッタクリもない。この駐在員も通勤などで頻繁に使用しているようだ。ちなみに、日本でも人気のウーバーイーツと同じく、グラブも宅配を行っており、ハノイ市内ではグラブのバイクを頻繁に見かけることができた。また、グラブは車だけでなく、バイクもタクシーとして利用されており、こちらも頻繁に見かけた。
明るい場所であれば、ハノイは夜も1人で歩けるくらいに治安もよく、道路の舗装状態も悪くない。今後15年くらいは人口動態も安定しているため、ハノイやホーチミンの街並みや人々の生活は大きく変わっていくだろう。その時、日本はどのような立場になっているのだろうか。ベトナムにもいずれくる高齢化時代、先行する我が国がその見本となっていたいものである。
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