2024年12月23日( 月 )

メディカル&ビジネスインテリジェンスの提供がBISの使命!(中)

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 2月17日(月)の午後5時30分~9時00分まで、東京・新宿「安代ホール」7階において、第169回「ビジネスインテリジェンス情報研究会」(BIS)が開催され、日中の医師・医療関係者10数人とメディア関係者を含む、満席100名を超える有識者が集合した。BISではビジネスインテリジェンス情報と並行して、約20年前から国際的な健康医療情報(メディカルインテリジェンス)の共同研究を続けている。

10年前に、揚子江で、魚から“コロナウイルス”が検出された

 揚子江の中間地点に位置する武漢には巨大な「海鮮市場」があります。武漢周辺だけで、輸出などを通して、世界の魚介類の養殖マーケットの7割を占めています。また、海鮮市場は主に魚介類を扱いますが、同時に約200種類の動物の肉(蝙蝠、蛇なども)を扱っています。

 武漢の上流には世界最大級の「三峡ダム」があります。今から10年前、三峡ダム建設後の揚子江で獲れた魚を食べて具合が悪くなった人が続出しました。医師が調査したところ、魚からコロナウイルスが検出されました。そこで当時、中国政府は揚子江周辺6300kmにわたって漁獲禁止令(350種類の具体的魚名を挙げて)を出しています。今回の発生源は野生動物という説が有力ですが、私は魚介類という説も無視できないものと考えています。

中国人延べ20億人が国内のみならず、海外に移動するのが春節

 「なぜ、このような時期に発生したのか」についても意味があります。中国14億人が国内のみならず、海外に移動するのが春節(1月下旬から2月中旬頃の7日間程度)です。その数は延べで20億人に上ります。

 原因については、生物由来(動物・魚介類)、細菌科学兵器から陰謀論までさまざまな説があり、現時点ではわかっていません。しかし、1,000万人、1億人の死者が出る可能性があるとすれば、生物由来だけではなく、何らかのかたちで人工の手が加えられたと考えるのが普通です。自然界にはこれほど感染力が高く、致死率が高いものはないと思われるからです。

小さな組織で何よりも素早く行動することが求められるのです

浜田 和幸 氏
浜田 和幸 氏

 今人類は「パーフェクトストーム」(複数の厄災が同時に起こり、破滅的な事態に至ること)の洗礼を受けており、この地球は前代未聞の嵐に飲み込まれようとしています。今回のパンデミック・新型コロナウイルス騒動はその一環です。パンデミックはアメリカや中国という大国でも十分な対応がまったくできないことがよくおわかりいただけたと思います。

 そのうえで、浜田氏は「環境問題」「食料問題」「水問題」など、人類を飲み込もうとしてしている大きな危機には既存の国の制度では対応できません。しかし、迅速な対応が要求されます。そこで、これからは1人ひとりが危機感をもって、小さな組織(志を同じくする者同士の勉強会、企業単位、地方都市単位など)で何よりも素早く行動することが求められるのですと、この話を結んだ。

米軍がイランのソレイマニ、イラクのモハンデス司令官を殺害

渋谷 祐 氏
渋谷 祐 氏

 渋谷祐氏は元外交官で石油連盟(外国調査部次長など)の要職を経て中東経済研究所主任研究員、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科特別研究員などを歴任した。現在は(有)エナジー・ジオポリティクス代表でグローバル地政学をエネルギー世界のスペシャリトの眼から読み解く第一人者である。

 渋谷氏は開口一番、トランプ劇場の衝撃と畏怖(圧倒する戦力で敵の戦意を削ぎ、怖気づかして、大勝利に持ち込む戦術)について語り始めた。

 まず、事実関係を整理しますと、日本の新聞では年明けそうそうの3日に「イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊のソレイマニ司令官がイラクの首都バクダッド国際空港付近の高速道路上で、米軍に空から攻撃された」という記事が躍りました。しかし、殺されたのはソレイマニ長官だけではありません。同時に、イラクの“シーア派”民兵組織のトップである

 モハンデス司令官も殺されました。トランプ氏にとっては、大統領選挙(11月)の勝利・再選を狙った集票作戦の一環と思われますが、このことは今後の「中東情勢の行方」にとって大きな意味をもちます。

 8日(現地時間)にイランの革命防衛隊はイラクに駐留する米軍基地に対してミサイル攻撃を行い、報復をしました。これを受けてトランプ大統領はホワイトハウスで、国民に向けたテレビ演説をしました。その要旨は以下の通りです。

 イランによる報復攻撃で米国民に死者は出ていない。イランに新たな経済制裁を行う。「我々は今や世界一の石油や天然ガスの生産国である。米国は自立しており、中東の石油は必要ない。米国は軍事力を行使したくない。経済力こそ、最大の抑止力である」

(つづく)
【金木 亮憲】

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