中国経済新聞に学ぶ~日本経済への影響度はどれほどか(後)
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3つ目は、観光業への影響である。
中国は、訪日客の最大の供給元であり、香港・マカオ・台湾も含めるとインバウンド全体の60%以上を占める。今回、ウイルスの拡散により、武漢から訪れた10名あまりが感染した。16日午前の段階における日本での感染者数は414人に達し、日本は中国以外で最大の感染国となってしまった。
日本の旅行業協会によると、2月27日から2月末まで、中国で40万人が訪日の予定をキャンセルした。この数字はクルーズ船や個人旅行を含んでいないので、実際のキャンセル数は70万人に達するとみられる。
航空会社やホテル、飲食店、デパート、観光地はもろに影響を受け、中国人を主対象としている中小の旅行会社は経営危機に瀕している。
中国人旅行者の日本での消費額は平均21万円で、国別で財布のひもが最も緩い。
日本の観光の専門家によると、今回の件で観光業の1日の損失額は44億円(約2.8億元)になると見ている。
大手デパートが3日に発表した最新の統計によると、中国の春節休暇である1月24日から30日まで、免税店の売上高は軒並み減少し、西武クループが昨年の同じ時期より15%減、高島屋が同じく14.7%減、三越伊勢丹グループが同じく10%減、大丸松坂屋グループがともに5%減となっている。
4つ目は、中国への輸出である。
今回のウイルスがいつごろ収束するのかめどが立っていないことから、中国全体で経済活動が足踏みしており、企業の業務が本格的に再開する日も定かでない。このため経済産業省は、2月から4月の中国向け輸出は大幅に落ち込み、国内企業の業績にも影響が出ると見ている。
中国企業に電子部品を供給しているソニーは、3日連続で株価が値下がりしている。
日本政府はすでに、感染による中小企業などの総崩れを防ぐための救済策を考え始めている。各地の商工会議所も窓口を設け、企業への融資や返済期間先送りといった相談を受け付けている。今回の件による、日本経済への損失はどの程度に達するのか。
大和総研のチーフエコノミストである熊谷亮丸氏は、観光面でいうと今年は少なくとも訪日客が400万人減少し、経済損失は1兆円に達するとみている。これに製造業の分も加えると、損失額は2兆円を超えるという。向こう数カ月間で、中日両国の旅行会社や免税店が倒産することもありそうである。
両国で協力し、この危機を早期に脱するよう祈る。
(了)
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