学生の就職活動への影響懸念〜新型コロナウイルス感染拡大
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(株)ディスコが行った新卒採用に関する企業調査(2019年10月調査)によると、面接開始が最も多いのは3月で約4割(39.4%)。内定出しの開始時期は4月が約3割(31.8%)。経団連が「採用選考に関する指針」の廃止を表明したこともあり、大手を中心に早期化の傾向が出ているという。
来春(2021年)卒業予定の大学生にとっては、まさにこれからが就職活動を行うにあたって大事な時期を迎えるところ。しかし、コロナウイルス感染拡大にともない、予定していた学内の企業説明会や就職セミナーなどが軒並み「中止」または「延期」する事態となっており、就職活動への影響が懸念される。
都内の大学20校に取材したところ、半数以上の大学が「予定していた企業説明会やセミナー開催を「中止または延期する(した)」と回答。開催するとしている大学は、「集まる人数や会場の大きさなどを見て個別に判断する」と回答した。しかし、「企業側から参加見送りの返事があり、予定していた半分しか集まっていない」など、大学側からも戸惑いの声が挙がっている。
企業側はウェブ上で企業説明会を実施したり、対面での面接をウェブ面接に切り替えるなど、学生と直に接触する機会を減らしつつ、就職活動に影響が出ないような対応を行っている。大学側も中止された企業説明会や就職セミナーの代替として、セミナーの様子を動画で配信したり、学生からの就職に関する相談を予約制にするなどして対応しているという。
では、採用スケジュールは今後どうなるのか――ある大学の職員は、「企業側もウェブを利用すれば、ある程度は選考を進められると思う。しかし最終的には学生と直に会って面接をするのが基本。このまま事態が収束しなければ、大人数の採用を予定している企業ほど、内定を出す時期が延びる可能性が考えられる」と述べ、新卒採用に関する動向が例年と変わる可能性を示唆した。
別の大学の職員は「最終的には各企業の判断によるが、例年と比べ時期がずれ込む可能性は十分に考えられる」と回答した。反対に、「今夏には東京オリンピック・パラリンピック開催が控えている。それまでに採用活動をひと段落させたい思惑もあり、むしろ例年より早まるか、今のうちに囲い込みが行われるのではないか」という意見もあった。
未曽有の事態に対し政府の初動対応の遅れが批判されているが、企業も例外ではないだろう。採用活動に関しても、若者たちの夢や可能性を潰すことのないよう、配慮ある対応を願うばかりだ。
【長谷川 大輔】
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