中国・出勤再開状況の聞き取り~湖北省は依然として移動を制限
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武漢の状況
新型コロナウイルスは中国の経済活動に大きな影響をおよぼすものと懸念されている。外出制限を受け一部のインフラ、生活に関わる企業以外はどの企業も自宅勤務となっていたが、2月から徐々に会社に戻り始め、地域などにより違いはあるにせよ、現在では元通り出勤している会社がほとんどのようだ。記者が現地中国人7人に聞いたところ、5人はすでに元通り出勤、1人は交代制、1人は今週から少しずつ出勤とのことであった。ただ、ウイルスの発生地とされる湖北省武漢市からの移動は依然として制限を受けており、人手不足の企業もあるようだ。
A(北京市) 「自分も含め多くの企業は出勤を再開している。地下鉄、バスは元通り運行しているが、人が多くて不安なので毎日タクシーで出勤しており、会社が精算してくれる。検温は引き続き行われており、オフィスビルに入るとき、スーパーやショッピングセンターなどに入るとき、マンションに戻るときなど毎回行われて面倒だ。中国の感染拡大はひとまず落ち着いたものと思っている」。
B(天津市)「多くの企業は出勤を再開している。地下鉄、バスも元通りに運行しているが、乗客はあまり多くなく、外を歩いている人も少ない。公共交通機関よりも自家用車か自転車のほうが安全だ。日本政府は疫病流行に努めており、オリンピックも無事に開けるものと信じている」。
C(上海市)「当社は今のところ交替出勤制だが、周囲の多くの職場は普通に出勤しているようだ。地下鉄は非常に混んでいる。店舗が閉店時間を早めているほかは、ほぼ正常に戻ったという印象だ」。
D(広東省)「自分は以前から出勤しており、周囲の会社もほぼ出勤している。ただ、武漢市など湖北省出身者の同僚や取引先の担当者などがまだ戻って来られないため、どこも人手が足りず大変である。自分は1人で2人分の業務をやらざるを得ない状況だ」。
E(四川省)「自分は自宅勤務だが、今週から週に2日、出勤しないといけなくなった。街のドラッグストアでもマスクを買えるようになった。中国から日本の支援へのお礼にマスクを贈ったという報道があるが、日本の人たちに届いているか気になっている。現在は中国よりもヨーロッパ、韓国、日本の状況を心配している」。
F(山東省)「周囲はほぼ元通りに出勤している。ただ、自分が経営する中国語教室の日本人学生の約半数近くが中国に戻ってきていない。今では中国以上にむしろ日本のほうが、リスクが高いのではないかと見る人もいる」。同教室は以前からオンラインレッスンも取り入れており、要望に応じて対応する予定のようだ。
G(安徽省)「出勤が再開された。自分は事業主であり、しばらく働けなかったぶん、これから頑張って稼ぐつもりだ」。
【茅野 雅弘】
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