2024年11月22日( 金 )

日本の御もてなしは欺瞞か

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福岡商工会議所、御もてなし深耕に全精力を注力

 福岡商工会議所情報文化サービス部会で全精力をあげて【おもてなしの深耕】に注力している。その先頭にエアアカデミー社長・永江靜加副部会長が快走しているのだ。セミナーを開催して来年3月までに【おもてなし優良コンテスト】の大会を積み重ねて大賞決定まで漕ぎ着ける段取りを準備している。おそらく各業種から数多くの応募者が参加するであろうと予想される。また必ずや福岡市の目玉コンテストに発展するであろう。間違いない。
 ところがだ!!最近、クルーザーで押しかける中国人観光客への感謝の念が薄れているという批判の声が上がっている。果ては「儲かりだしたらおもてなしの気配すら見当たらない、おもてなしとは儲かるまでの戦術か!!欺瞞か」と叱責を受けているのだ。中国人には【掌返し】という行動パターンがあるらしい。顧客になるまでは表面上の誠心誠意を込めたアクションを繰り返し、得意先になれば冷たいというか関心を示さない行動に転換する商売の習性がある。福岡も中国そっくりとなった。福岡駐在のある中国人A氏が指摘しているのである。

儲かれば感謝の念を忘れる軽薄日本人

cruise001ec A氏は累計20年近く福岡に常駐している。福岡が大好き、日本が大好きだ。「日本と中国が仲良く手を繋いでパートナーシップを強化すればお互いの繁栄にもなるしアジアの発展にも貢献できる」と確信している。そのためには体を張って貢献する覚悟は並々ならぬものである。A氏が一番辛かったのは、5年前の尖閣列島領土問題の対立であった。「こんな狭い島の問題で日中がゆがみ合い一触即発の衝突になったら両方にとって不幸になる」と危惧したのである。
 それから5年の歳月が流れて福岡には毎日、クルーザー船が入港して多いときには6,000人の中国人が観光で上陸する。中国人は日本の食品、商品は絶大なる信用を抱いているのだ。親戚・友人たちに喜ばれようと沢山の土産を買いこんで帰国する。旅行者たちは帰国して周囲の人たちに【日本の、九州の、福岡の素晴らしさ】を報告する。そうするとすぐに感化を受けるのが中国人の特性だ。次にクルーザーツアーに参加するようになる。

 A氏には強かな戦略というか確信を抱いている。「中国人はいままで共産党の命令には付和雷同であるが、従ってきた。反日という旗印を掲げればそれに追随してきた。しかし、これだけの中国人が福岡、日本を訪問して自分の目と頭で日本の素晴らしさを認識するようになったならば、これから中国共産党が【反日】の政策に切り替わったとしても過去のようなことにはならない」と語る。Aが密やかに展開してきた日中友好の架け橋役が実ってきたのである。だがA氏は福岡、日本人の最近の掌返しの体質を厳しく批判するのである。

 「日本人は忘れっポイ悪い習性がある」と厳しく糾弾する。観光客誘致までには頭をすり減らしてまで必死で懇願して回った。その努力の結果が8月には10万人の中国クルーザー客が押し寄せてきたのである。A氏の指摘はこうなる。「ついこの2年前までは『是非、福岡へお越しください』と勧誘していたのに最近では中国観光客が来るのは当然の姿勢になり下がった。傲慢さも目立つようになってきた昨今だ」。
 A氏の提案は難しいことではない。クルーザー船の入港セレモニーを充実させることも重要である。だが「離港する際でのお別れイベントの方が10倍も大切だ」と強調する。ほぼ送り出し送別式は行われていないそうだ。A氏の見解。「惜別の際にお見送りの余興を受けると人間は非常に感激して記憶に残すものだ。日本に対して強い親しみを抱くことになる。熱烈な日本シンパになるのである。日本の得意とするおもてなしのほんの一部を小出ししてくれば、『感謝、感謝』、となる」。

 

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