2024年11月24日( 日 )

「文化創造企業」グローバルエージェンツの新たなホテルブランド挑戦(3)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 (株)グローバルエージェンツ(東京都渋谷区、山﨑剛代表)は2019年11月、神奈川県川崎市に新たなホテルブランド「slash(スラッシュ)川崎」を開業した。同社はこれまで5つのホテルブランドを展開し、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地に13棟のホテルを運営。今回のホテルはユニークなネーミングもさることながら、街の様相とは一線を画すスタイリッシュな仕様とさまざまなデジタル体験が話題になっている。

巨大スクリーンが「非日常デジタル空間」を演出

 部屋に入ってまず目にとまるのは巨大なスクリーン。各部屋に標準装備されたプロジェクターに手持ちのiPhoneをミラーリングすることで、一見どこにでもあるような客室が、NetflixやYouTubeだけでなく、自身が収めた写真や動画などを80インチの大画面で観ることができる「非日常空間」に変わる。

80インチの大迫力で音漏れの心配も無し。照明を落とせばより一層ムードも高まる
80インチの大迫力で音漏れの心配も無し。照明を落とせばより一層ムードも高まる

 「従来のホテルだとテレビが設置されていることが多いと思いますが、テレビは言わば“マスメディア”。時代を経るにつれ、メディアはより“パーソナルなもの”になりつつあり、ほんの数チャンネルしか視聴できないテレビは必ずしも今の時代に即しているわけではないと思います。我々が目指したのは、“何を流すか”ではなく、個々人がもっている固有の情報を、“どういう風に見るか(見せるか)”。個々人が自分たちの嗜好に合わせたものを見るのはもちろん、いかに非日常的な空間を体験していただくかを考えた結果、今回思い切って各部屋にプロジェクターを設置することにしました」(山﨑代表)

 早速手持ちのiPhoneをミラーリングして映像にしてみたが、Amazon Prime Videoの動画は問題なく映り、画質も音も申し分ない。YouTubeに関しては、昔の映像だとものによっては画質に粗さが見られるものの、出たばかりの新しい映像やYouTubeチャンネルなどは問題なく楽しめる。また、自らが撮った写真に関しては、スライドショーがその本領を発揮する。とくに旅行で観光スポットを訪れた際などは、1日の終わりにスクリーン上でスライドショーをゆっくりと眺めるのが至福のひと時になるであろう。記者もついついハマってしまい、気が付けば深夜1時を回っていた。

汎用性高いリクライニングベッドで快適快眠

 ベッドに関しては「THE MILLENNIALS」導入時に好評だったという電動リクライニングベッドを全室に標準装備。無段階で角度調整が可能で、単に映像を見るだけでなく、手元で細かなパソコン操作をしたり、読書をしながらくつろいだりなど、さまざまな用途に応じて無理なく自由に角度を調整することができる。また、「既成のリクライニングベッドにはない工夫が凝らされている」といい、弾力性や耐久性などは申し分ないという。

シーンに応じて快適に使えるリクライニングベッド
シーンに応じて快適に使えるリクライニングベッド

 気になる寝心地や固さについてだが、記者が利用した感想としては、「程よい硬さで寝返りなども無理なく、枕はやわらかめなつくりで首に無理なくフィットし高さも問題なし」。途中で目覚めることもなく、普段よりもぐっすり快眠することができた。

 特筆すべきは、ベッドのリクライニングによるアラーム機能。指定した時間になるとベッドが自動的に起き上がり、それによって目が覚めるというかたちだ。いつもなら毎朝寝過ごさないか心配で、時折夜中に目が覚めることもある記者だが、翌朝はリクライニングによるアラーム機能で寝過ごすこともなくスッキリと起きることができた。初めて体験したが、寝過ごす心配は“100%ない”と断言してもいいだろう。

ディナーメニューはカジュアルテイスト

 宿泊の楽しみといえば食事。ホテル周辺は飲食店が所狭しとひしめき合う街なので、基本的に飲食店に困ることはないが、週末ともなると人混みが多く、お望みのお店になかなか入れないかもしれない。あるいは、場所が場所だけに、夜の歓楽街を歩くことに不安を感じる方もいるかもしれない。

 そこで、時間を気にせずゆっくり食事を楽しみたい人や、人込みを避けて食事をしたい人、安心して食事を楽しみたい人や女性同士で利用する場合などは、ホテルでディナーを利用するのがおススメだ。

今回は特別にディナーをフルコースで用意してもらった
今回は特別にディナーをフルコースで用意してもらった

 どの料理もボリューム満点で食べ応えあったが、スタッフのイチオシは「スペアリブバックリブプレート」。ナイフが触れるだけでほぐれる肉の柔らかさと、ジューシーかつ濃厚な味わいがウリ。それでいてクドさはまったくなく、2切れ3切れペロリと平らげた。

 記者のオススメは「スパイシーガーリックシュリンプ」。コースの初めに提供されたが、まず大ぶりのエビに驚き。見た目だけでなく肉厚もプリプリで、いつまでも口のなかで食感を楽しめた。

(つづく)
【長谷川 大輔】

【slash(スラッシュ)川崎 施設概要】
開 業:2019年11月1日
所在地:神奈川県川崎市川崎区砂子2-9-7(JR各線川崎駅中央東口から徒歩5分)
客室数:95室
URL:https://www.slashhotels.com/

(2)
(4)

関連記事