「太るサプリ」で景品表示法違反、課徴金1,000万円超
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消費者庁は3月6日、福岡県の健康食品通販会社のふるさと和漢堂(株)に対し、景品表示法の規定により、課徴金命令を下した。
同社は自社ウェブサイトで、販売するプロテイン含有の健康食品「ドクター・フトレマックス」について「ガリガリ体型を約2カ月で克服」「太る専用プロテイン」などと、健康食品を摂取することで、体重が著しく増加するような効果を表示していた。同社はすでに昨年、同内容で消費者への表示違反だったという告知と、改善命令が下されており、今回は違反にともなう課徴金が下されたかたちとなる。
健康食品の販売会社による景品表示法違反については過去、痩せることを訴求したダイエット食品についての処分は多くあるが、今回は反対に「太れる」ことを訴求した表示による違反であり、過去に例がない。
消費者庁の発表では、同社が表示の根拠となる資料を提出したものの、内容は「ドクター・フトレマックス」が、栄養素を十分に吸収できない人でも、体重が増量できる合理的な根拠となる資料とは認められなかった。また、表示では「体重には個人差があります。効果を保証するものではありません」と、すべての消費者に効果があるわけではないとの表示、いわゆる打ち消し表示もしていたが、消費者が受ける効果の認識を打ち消すものではないと判断を下された。
課徴金額は2017年8月27日から19年9月14日の間で1,305万円。課徴金額から算出した「フトレマックス」の売上額は4億3,500万円に上る。健康食品で底堅い市場のダイエット食品とは反対に、太りたいというニーズもあるのだなと思う一方で、太ることができるという根拠データはどのような内容だったのか気になるが、事実以上に著しく商品が良く見えてしまう表示として処分を受けたという点で、販売会社側も消費者によっては決して身体的に良い効果として見られることのない表示だけに、まさか処分を受けるとは思わなかったのではないだろうか。
これまで多かった治療や薬理、痩身といった効果以外でも、何かしらの身体的効果を示す表示に対しても、確かな根拠がなければ表示違反として取り締まられるという例が出たことで、販売各社も注意が必要だと認識したことだろう。
昨今の健康食品市場は参入企業が相次ぎ、競争が激化しているなかで、販売会社が新たなヒット素材や訴求を求める傾向は強く、業界関係者からは「『太るサプリ』が新たな市場のワンカテゴリーになるかもしれなかったかも」という声も聞かれた。
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