転院調整と受け入れ先の苦悩
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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、病院間での転院調整が進む。ベッド数確保のためだ。感染症指定医療機関となるような大病院から、ベッド数にまだ余裕がある病院への患者の移動は、受け入れ先の病院にとって新たな悩みの種となっている。
「人員に余裕がなく、当院も最初は受け入れを拒否していたのですが、今では受け入れざるを得ません。恐れているのは、万が一受け入れた患者が新型コロナウイルスに感染していたらということ。クラスター(集団感染)発生の危険性が高まるため、これ以上の受け入れはご遠慮したいというのが本音です」(A病院)。A病院の入院患者は大半が高齢者。万が一が起きた場合、最悪の事態が想定される。可能な限りリスクを避けたいという気持ちをもつのは、当然だろう。また、依然マスクにも余裕がなく、現場で働く看護師には、マスクの使用に関して「1日1枚」という制限が課せられている。医療従事者が、安心・安全に働ける環境にはまだ回復できていない。
新型コロナウイルスへの対応として進むベッド数の確保と、それにともなう転院調整だが、地域医療を維持するためにも、ただの“押し付け”になってしまわないような配慮が必要だ。
【島野 元太郎】
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