【体験レポート】「まちの医院」の今
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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、最前線で活動する医師や看護師たちの奮闘が連日のように報じられている。今回は記者が実際に患者として体験してきた、現在の「まちの医院」の様子をレポートする。
【内科医の場合(福岡市中央区)】
普段は、たくさんの患者で待合室が埋め尽くされている同医院だが、この日は診療を待つ患者同士の間隔が充分にあいており、無事にインフルエンザの検査を受ける事ができた。
同院の院長に話を聞くと「緊急事態宣言」が福岡県下に発出されたことにより、来院者が3割程度減ったとのこと。要因は「緊急事態宣言発令により、市民の医療機関への受診についての意識が高まったため」だという。同医院では、受診時の電話予約制を徹底し、院内の患者数と滞在時間をコントロールするとともに常時、高性能な空気清浄器の運転と人体に無害の殺菌剤をミスト化し、散布することにより、院内感染のリスク軽減化に努めている。前述した来院者については、「3割減ったというより、3割減のコントロールに成功した」という認識のほうが正しいだろう。
同院長によれば、「2月から緊急事態宣言が出されるまでは既存の患者、新規来院者への電話対応によって、病院機能を維持するのが大変だった」とも話す。
私のインフルエンザ検査の結果は陰性、肺炎の症状もなく、20分程度で同医院を後にした。【歯科医の場合(福岡市中央区)】
後日、福岡市中央区にある歯科医に歯石取りの予約を入れ、治療を受けに行った。
こちらも、待合室に患者の姿が見あたらない。歯科衛生士によると、電話予約の段階で、なるべく患者さん同士が一緒にならないように工夫しているとの事。待合室で渡されたのが、新型コロナ感染に関する10項目にわたるアンケート用紙だった。同衛生士に尋ねると、風邪などの症状が見られる患者さんには治療を遠慮してもらっているという。しばらくして、治療室に通される。待合室とは事なり、5つある個室の治療室は満室だった。
院長に話を聞くと、「この地域は住宅街で、緊急事態宣言後、自宅待機や出勤自粛者が、『この機会に口内の虫歯を全部治療したい』と来院するようになり、平時より患者数が3割程度増えた」と語った。
また、「自分たちは『3密』の最たる職場なので、院内感染防止について常に歯科医師間で情報を交換し、努力している」とも話す。
今回は、内科医と歯科医から話を聞いたが、現在は通常の医療に「新型コロナウイルス対策」という問題が加わっている状態である。一人ひとりが、「ステイホーム」を心がけ、感染拡大の予防につなげていかなければ、「医療崩壊も間近」だとあらためて感じさせられた。
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