シリーズ「ホテル淘汰」(3)~生き残りをかけ、日々事業の様態を模索
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福岡県は24日、ホテル「東横INN西鉄久留米駅東口」を 27日から 、新型コロナウイルスに感染した無症状、軽い症状の患者の宿泊療養先として、一棟を借り上げたと発表した。これにより、福岡県は 13日の「ホテル 東横INN 北九州空港」、20日「博多グリーンホテル2号館」に次いで、3カ所のホテルを宿泊療養施設として確保したことになる。
県は非常事態宣言を受け、県下5カ所のホテルを借上げ1,200室確保したいとする考えを示していた。この措置にかかる予算は13億2,000万円としている。
もちろん、新型コロナウイルス感染者の宿泊療養施設としての1,200室、13億2,000万円を平常時と比較する事は出来ないが、漠然とでも宿泊事業の経済規模をはかり知る事はできるだろう。
福岡市におけるホテル・旅館の客室数は18年度で2万8,329室。一時休業するホテルも日々増加しており、現状の稼働率は5%に満たない(筆者独自取材による)と推察される。正式な数字は、1日より徴収が始まった宿泊税からいずれ明らかになる。ホテルなど宿泊事業の冷え込みによる、税収減は市民にいずれはね返ってくることとなり、今は早期のウイルス収束を祈るばかりだ。
この最中、宿泊事業として新たなビジネスモデルを打ち出しているのは京都市に本社を置く(株)CHILLNNだ。同社は「ホテルシェルタ-」プロジェクトと称して、新型コロナウイルスの影響などで稼働の低下している宿泊施設と、自宅療養や医療従事者など帰宅が困難な人をマッチングさせる試みを全国的に始めている。同社の公式ホームページをみると既に福岡市内の宿泊施設の名も確認できる。時代のニーズに沿ったビジネスモデルであるが、果たして集団感染、クラスター化阻止が求められる事態に対応していけるのか課題は残る。
すでに、在宅勤務困難者向けに客室の一部を提供しているホテルも存在するが 経済的に逼迫したホテル、宿泊事業者にとっては 「ホテルシェルタ-」プロジェクト は、選択肢の一つといえるかもしれない。
(つづく)
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