ずさんな管理体制と度重なる行政処分で問われる企業姿勢(後)
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国土交通省関東地方整備局は2月6日、東急不動産ホールディングス・グループの一員で、マンション管理業を手がけるコミュニティワン(株)(東京都世田谷区、大熊剛代表)に対し、監督処分を行った。同社は2015年と2018年にも同様の理由で監督処分を受けており、今回で3回目の処分となる。
具体性の伴わない再発防止への取り組み
同社は3月11日に「再発防止への取り組みについて」と題したリリースを公表している。この中身について中村氏は、「前回(2018年)の文章をそのまま引用しているような言い回しがあります。これを見ると本気で取り組もうとしているのか、具体性が見えてこないです」と話す。
中村氏によると、今回問題となった従業員の着服行為についての再発防止策は、「明細付の領収書かレシートの提出を厳格化する」そして「社内に専門部署を設けて組合への請求前に内訳のチェックを徹底すれば防げる」ものであり、業務負担的にもそこまで重いものではないという。にもかかわらずそこまで言及していない(=具体性が見えてこない)ということについて、「これでは今後も繰り返される可能性はあるでしょう。そこまで具体的に落とし込んでやろうという姿勢が見えない。穿った見方をすれば、『これがこの会社の企業体質』と見て取ることもできます」と強い口調で述べた。
一番の問題点は修繕積立金の移し替えに対する認識
マンション管理適正化法では、区分所有者などから集めた修繕積立金などの管理組合財産を厳格に管理するための法令が定められている。今回コミュニティワンはこの法令に反し、修繕積立金を保管口座に移し替えていなかったことが判明したが、中村氏はこの部分について、「業界関係者から見ればこちらの方が問題視される内容。管理会社としての信用を失うものと言っても過言ではないでしょう」と断言する。
「収納口座には法令上、1ヶ月分の管理費などしか入れておくことができません。その1カ月分については管理会社が締結する保証契約により保証されますが、保証契約上では1カ月分しか保証されませんから、もし管理会社が使い込みをしたり倒産して組合の財産が毀損された場合、残りの部分については保証されません。過去、組合財産を巡るトラブルや犯罪事例を踏まえてできた今の法令なのですが、にもかかわらず適正に口座の移し替えをやっていなかったというのは、管理会社として、業界全体の信用にも関わることですし、言語道断です」と厳しい口調で述べた。
この事例は複数の組合で発生しているといい、根本的な改善が求められる。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:大熊 剛
所在地:東京都世田谷区用賀4-10-1世田谷ビジネススクエアタワー7階
設 立:1975年5月
資本金:285,675千円
売上高:(19/3)269億円関連キーワード
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