事業環境悪化にコロナが追い打ち~暗雲漂うブライダル業界(3)
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近年、若者人口減少や未婚率の増加などで国内の婚姻件数が右肩下がりで推移するなか、苦戦を強いられているのがブライダル業界だ。そこに追い打ちをかけるように、今年に入ってから“コロナショック”が勃発。この影響で結婚式・披露宴の延期や中止が続出し、業界としては致命傷となりかねない事態に陥っている。業界各社はこの苦境を生き延びることができるのか――。
再編進む結婚相談所
では、「結婚したい」と願う男女のマッチングをサポートする、結婚相談所運営や婚活支援サービスを行う事業者は、どうだろうか。
最大手は、日本最大級の結婚相談所ネットワークを有し、直営の結婚相談所や婚活サイトの運営、婚活パーティーサービスなどを提供している東証一部上場の(株)IBJだ。同社では19年1月に結婚相談所を運営する同業の(株)サンマリエを子会社化したほか、今年4月30日付で後述の(株)ツヴァイを子会社化するなど、旺盛な合併・吸収によって事業規模を拡大中。直近の19年12月期は売上高152億8,200万円に対して15億2,300万円の最終利益を確保するなど、増収増益を達成。今期はツヴァイが加わることで、さらなるシナジー効果の発揮が期待できる。
売上高は不明ながら、CMなどで抜群の知名度を誇るのが(株)オーネットだ。同社は、設立当初から結婚相手紹介サービスを展開。08年8月に楽天(株)の連結子会社となって長らく楽天グループに属していたが、18年12月に楽天からONTホールディングス(株)(投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループ(株)関連会社)への全株式譲渡により、現在はONT社の子会社となっている。
東証マザーズ上場で、高付加価値な結婚相談所「パートナーエージェント」や婚活パーティーの企画運営などを行う(株)パートナーエージェント。同社もIBJと同じように、19年2月に資本提携によって後述のエン婚活エージェント(株)を持分法適用関連会社としたほか、19年4月にカジュアルウェディング「スマ婚」などを展開する(株)メイションを子会社化。結婚相談所や婚活周辺サービスの強化のみならず、実際に挙式・披露宴を行う子会社をグループに入れたことで業容を拡大している。
そうした一方で、元イオングループで東証二部上場のツヴァイは、直近の3期連続で赤字となるなど苦戦が続いている。同社は、前述のように同業大手のIBJの傘下に入るが、今後IBJのノウハウを取り入れながら、経営の立て直しがなるかが注目されている。
結婚相談所運営・婚活支援サービスを提供する企業においては、上記以外にも、総合婚活サービス「ゼクシィ縁結びエージェント」を運営するリクルートマーケティングパートナーズや、東証一部のエン・ジャパングループに属するエン婚活エージェント、結婚相談所「NOZZE.(ノッツェ)」を運営する(株)結婚情報センターなど、大手から中小規模まで各社が乱立。現在、最大手のIBJを筆頭に再編が進んでいる真っ最中のようだ。
(つづく)
【坂田 憲治】
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