2024年11月14日( 木 )

新型コロナの恐怖に対峙する医療従事者を支える~青木優美クリニックが感染予防の点鼻薬を提供

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感染予防点鼻薬

 医療法人聖療会・青木優美クリニック(福岡市中央区)は、ダチョウの卵の抗体から製造する新型コロナウイルスによる新型肺炎への感染を予防する点鼻薬を製造、提供する全国で2カ所しかない医療施設の1つである(5月1日取材時点)。この点鼻薬はダチョウの免疫力を研究する塚本康浩・京都府立大学学長から抗体の提供を受けており、同クリニックが点鼻薬を製造・提供するようになった経緯について話をうかがった。

 同クリニックはとくにがん治療およびその早期予防に力を入れている。多くのがん患者が来院するのみならず、青木優美理事長を含め一部の職員も自身ががんと闘った経験を有しており、今般の新型コロナウイルスに対しても感染予防への意識を人一倍強くもっている。新型コロナウイルスによる新型肺炎の感染が拡大するなか、患者と職員を守るために、医療従事者としてできることはないか思案し、塚本氏からダチョウの抗体の提供を受け点鼻薬を製造、提供することを決めたという。

青木優美・医療法人聖療会理事長

 地元の医療機関、自治体に対して提供を提案していたところ、佐賀県みやき町がいち早く手を挙げたそうだ。青木優美クリニックは佐賀県みやき町との間に「疾病および感染症予防などに関する協定」を調印しており、同町を通して感染症指定病院などにも提供されている。また、ギリギリの精神状態で踏ん張っている病院の看護師などからは非常にありがたがられているという。世界で医療関係者に感謝の意を伝え、支えようという声が広がっているが、このような同業者による支援の試みが医療崩壊を防ぐ役割をはたすものと期待したい。

 また、青木優美クリニックはこの点鼻薬を一般患者にも処方している。新型コロナウイルスによる新型肺炎の感染予防の方法として、マスク着用、手洗い・うがいなどが推奨されているが、点鼻薬という予防方法もあるということを知ってほしいと青木理事長は述べる。この点鼻薬の特徴は人体に入っても無害であり、乳幼児にも使えて安全・安心ということだ。

【茅野 雅弘】

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