【コロナに負けない（39）】患者の状態に応じ、さまざまな治療を提供～照葉アイランドアイ整体院

　「照葉アイランドアイ整体院」が、3月27日の商業施設「island eye アイランド アイ」のオープンと時を同じくして開業した。

　運営する（株）トリプルクラウンは「東比恵はりきゅう整骨院」など4つの整骨院を展開している。地域や患者の特性に応じ、それぞれ治療スタイルをもつのが特徴で、住宅街に位置する「寺塚はりきゅう整骨院」には美容針の専門家を配置し、東福岡高校そばの「東比恵スポーツ鍼灸院」はスポーツに特化、同校ボクシング部など運動部とトレーナー契約を結び、迅速な対応を行っている。

　代表の野坂淳二氏は、こうした取り組みのなか、整骨院の制限を超えた施術を提供する場が必要だと感じていた。整骨院は保険診療の対象しか施術はできない。患部が癒えた後、再発防止のための予防や体力強化へ向けたトレーニング、日々の疲れや身体の不調の解消、アロママッサージなど、さまざまな相談を受けるたびにもどかしい思いを感じていたという。

　こうしたなか、同院は自費診療の整体院開業を選択した。コロナショックの渦中での開業で、いきなり難局を迎えることになったが、さらに新しい取り組みを行う契機にもなった。

　早速、人材育成やマーケティングにYouTubeを導入した。知名度向上に向けた院内紹介動画に始まり契約する東福岡高校ボクシング部や野球部員へ向けたトレーニング動画。バスケットボール部にはLINEを用いた配信も開始した。なかには同院で指導を受けてきたムエタイの世界王者・石井一成選手による「パンチ力強化」版もある。

　院長・片山祐一氏が懸念するのが巣ごもりの長期化による人々の体調悪化だ。このため自宅でできる腰痛や肩こり解消の動画を配信している。定期的に実施していた全員での施術練習会に替わるスタッフ用の教材動画を配信するが、時間的余裕ができたことから出勤日の従業員教育も充実することとなった。ベッドや器具類へのアルコール消毒などの衛生面の徹底はもちろん、新卒社員は理学療法士と鍼灸師による徹底指導を得られることにやりがいを感じている。

　トレーニングルームを設けていたのは不幸中の幸いだった。多くのスポーツジムが営業休止を余儀なくされるなか、パーソナル対応のトレーニングを提供し、よろこばれている。

　早速、望んでいた相乗効果もあった。整骨院の患者が自宅勤務の長期化により、体重が増加し、腰痛が悪化した。しかし、照葉アイランドアイ整体院で体を動かすことによって体重が減少し、体調は快方に向かったという。今後も症状や体調、要望に合わせて「グループ力」を活用することができそうだ。

　緊急事態宣言が明けると、基礎体力の低下により困難な状況に陥った人々が急増するものと思われる。“きたるべき時”に向け、すべてのスタッフが気を引き締めているという。