武田薬品工業は昨年1月、アイルランドの製薬大手シャイアーを約7兆円で買収。しかし、シャイアーの買収による5兆円を超える借金が重荷となり財務内容が大幅に悪化。財務体質を改善するため、テレビコマーシャルなどでなじみの、ビタミン剤の「アリナミン」や、かぜ薬の「ベンザブロック」などの大衆薬(OTC)を販売する完全子会社の武田コンシューマーヘルスケア(以下、武田CHC)を売却することを決定した。
一方、その子会社買収に名乗りを上げたと推測されるのは大正製薬とロート製薬の2社。大正製薬は国内OTC最大手で、テレビコマーシャルでもおなじみの、ドリンク剤「リポビタンD」や風邪薬「パブロンゴールド」などを販売している。また、ロート製薬はどちらかといえば「目薬のロート」という印象が強いが、武田CHCを買収すれば国内のOTC業界で1~2位を争う製薬会社になると見られる。
【表1】を見ていただきたい。武田薬品工業、大正製薬HD、ロート製薬の株価推移表である。
~この表から見えるもの~
◆5月12日(前場終値)の株価
・武田薬品工業 前日比+45円の3,809円(前日比(+1.20%)。
・大正製薬HD 前日比▲60円の6,760円(前日比-0.88%)。
・ロート製薬 前日比+45円の3,095円(前日比+1.48%)。
<まとめ>
武田薬品工業は明日13日(午後3時)に、20年3月期の決算発表を予定しており、武田CHCの売却の一次入札企業を発表するものと見られる。株価を見るとロート製薬が前日比プラスとなっており優勢と見られるが、はたして、そのようになるのか。それともダークホースが出るのだろうか。
【㈱データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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