【コロナに負けない(41)】巣ごもり消費者をつかんだ「買い置き可能刺身」~(株)ジャパンシーフーズ
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アジ・サバ加工食品の製造販売を手がける(株)ジャパンシーフーズ。同社は全国の量販店に販路を構築するが、航空機の大量減便により遠隔地店舗への販売休止を余儀なくされている。また、飲食店向けの商品も痛手を被った。
こうしたなか、4月から売上が急増しているのが冷凍刺身「うまかシリーズ」だ。「買い置き可能な刺身」として巣ごもり消費者の人気に火が付いた。冷凍食品ながら流水で簡単に解凍できる手軽さ、天然の真アジを急速冷凍し、独自製法を投入し、「刺身と変わらない」(消費者)味と触感が評価されている。経済産業大臣賞など多くの賞を受賞したことが同商品の底力を示している。
ゴールデンウイークに地元番組で同商品が取り上げられると自社通販サイトへの注文はもちろん、販売店の問い合わせも殺到した。驚いたのはインフルエンサーによるTwitterでの紹介だ。さらに大きな反響を呼びSNSの影響力を知ることとなった。
「コロナ禍」に見舞われている現状については「商品ストックを積み上げる機会」だと捉えている。真アジや真サバを原料とする商品製造は気象条件の影響を受ける。消費量が多い同社の商品は例年、台風の多い夏場に在庫切れが生じることがあった。今年はコロナ回復後の消費者の需要にすべて応える覚悟だ。
井上社長は「こうした状況でも注文があるのはありがたいこと」として『「食のインフラを支えるプロ」として大儀と責任をもって感謝しながら日々の業務を行おう』と従業員を鼓舞している。
本格的な北米進出を視野にいれるなか、3月に開催予定だった世界最大の食の展示会・ボストントレードショーへの出展が中止となった。しかし、「食のインフラとしての役割はどの国でも同じ」とする同社は、海外進出への手を緩めるつもりはない。現状のアセアンを中心とした日系企業への定期販売から地元資本への本格展開を強化していく。
「コロナ禍」の4月には予定通り広島に事業拠点を設置した。この機を逃したくないという担当社員の意思もくみ取った。現場とトップが形成する組織力も逆境下で力を発揮する同社の強みでもある。
「うまかシリーズ」は「必ず冷凍刺身が売れる時代が来る」とにらんでの商品開発だったが、今回、図らずも従来のターゲット層以外からも注目を集めることとなった。同社ではコロナ禍収束後も情報発信を継続していくという。
「うまかシリーズ」は「うまかあじたたき」に加え、数の子と昆布付きの「うまかあじ松前漬」明太子の福太郎とコラボ商品「うまか明太あじ」、サバを原料とした「うまか胡麻さば」の4種類。マックスバリュやハローデイ、西鉄ストア、トライアルで販売中のほかイオンでも近日販売予定となっている。
<COMPANY INFORMATION>
(株)ジャパンシーフーズ
代 表:井上陽一
所在地:(本社)福岡市南区井尻5-20-29
(箱崎工場)福岡市東区箱崎埠頭5-9-29
設 立:1987年7月
資本金:1億円
業 種:水産物加工法人名
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