【縄文道通信第34号】縄文道検定―天職ガイド 縄文道―武士道―未来道(前)
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(一社)縄文道研究所
NetIBNewsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。今回は第34号の記事を紹介。
天職と人財評価
天職の定義とは何であろう。
古今東西、人間は仕事に関わってきた。たとえば縄文時代は狩猟、漁労、採集生活者だったが、衣食住を維持するためにさまざまな道具を開発し、道具を使用して生存の為の基本生活を営んできた。16,500年前に発掘された世界最古の縄文土器、青森県大平山元遺跡から始まって晩期の紀元前1000年位まで、膨大な縄文土器が日本中で制作されてきた。
縄文人は、生きるために土器制作に相応しい土を探し、加工し、装飾を施し、焼成の為に相応しい木材を探す一連の仕事を成し遂げてきた。これは厳しい自然環境のなかで、生き残るための天職である。欧米のキリスト教文明の国々では、天職はVOCATION と英訳されるが宗教的な言葉である。とくに天職はキリスト教の司祭や牧師に、神様から召命を受けて、生涯を布教に努める聖職と解釈される。
縄文人の天職と欧米キリスト教文明の天職は2つの面で共通する。
1.は生きるためと布教の為でも、人間として生存をかけていること。
2.は生涯を通じて選び、選ばれた仕事を全うすることである。今回、縄文道で取り上げる天職は、上記1と2を踏まえて、現代と将来に生き抜いていくための天職である。現代では天職はプロフェッショナルの世界の人々は一芸秀逸の世界で天職を得た人といえる。
芸術家、プロのスポーツ選手、芸能人、職人、シェフ、芸事の師匠、政治家、学者、医者、法律家、会計士、ジャーナリスト、経営コンサルタント、起業家、経営者職業分類でも実に多くの職種がある。
厚生労働省の統計では日本には17,209種類の職業がある。又戦前はサラリーマンが約10%だったが、現在は約90%がサラリーマンであり組織人だ。組織内には多くの職種区分があり、能力、専門性によって多くのサラリーマンが、組織内で配置されている。
転職から天職への職業感の見直し
天職を定義する前提は:
1.すべての職業に貴賤は存在しない。
2.すべての人間は天職を志向する
3.天職は、個々人が有する、性格、資質、能力において適切性(Suitability)があり、満足、幸せ感がある職業が天職といえる。筆者は、人生最初の30年間は鉄鉱石を中心とした天然資源を扱い、幸い海外の駐在、出張も含め約15年経験した「商社マン」であった。その後約20年間、人々の転職(天職)を支援するエグゼクティブ・サーチ・コンサルタントとして、約15,000人の経営者、エグゼクティブとお会いしてきた。
この職業は、転職社会の欧米では、医者、弁護士と並んで人生で欠かせない3種類の職業として社会的評価が高い。この世の中でもっとも貴重な人財の天職を紹介する仕事でもあった。この仕事を通じて、大中小企業の経営者を約100人自らがプレイヤーとして社長や役員のポジションへの紹介実績を重ねてきた。
多くの優秀な方々との出会いを通じて痛切に感じたことは、あまりにも多くの人財と職業とのミスマッチが存在することであった。要するに市場での適材適所が機能していないことであった。最大の理由は終身雇用、年功序列、学歴主義が流動化する人材市場動向とミスマッチを起こしていた為でもあった。すなわち日本の経済の失われた30年の停滞の理由の1つでもあったといえよう。21世紀に入って、世界はデジタル化がますます進展し、従来型の組織、制度も大きく見直されてきた。又AI ロボットの進化で2045年は、レイ・カーツワイル博士が予測するシンギュラリテイの時代が迫っている。さまざまな経済機関が現在の職業の半分はAI ロボットに代替され、約50%近い職業はなくなるであろうと予測されている。
(つづく)
Copyright Jomondo Kenkyujo
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