お仏壇のはせがわ、再生なるか(2)
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「おててのしわとしわをあわせて、しあわせ」のキャッチフレーズで、仏壇・仏具販売のリーディングカンパニーとして知られる(株)はせがわ。ライフスタイルの変化による需要の減少で市場自体が縮小するなか、同社もその影響を受け、創業からの長谷川一族体制からの脱却を図るも、厳しい業況が続いている。
超高齢化社会に突入し、年間約100万人以上が亡くなっていることから葬儀ビジネスに追従するように伸びていくとみられていた仏壇・仏具市場。経済産業省の商業統計調査によれば、仏壇・仏具を含む宗教用具小売に関して、90年代は製造・販売会社数が約8,000社あり、市場規模は3,500億円を超えていた。しかし、バブル崩壊後から始まった中国や東南アジア産の輸入品が増加したことによる低価格競争に加え、核家族化により宗教離れが加速し、先祖を祀り、弔うという意識が低下している。
終活関連サービスを提供する(株)鎌倉新書が2018年に行ったアンケート調査によれば、購入した仏壇の種類のトップは住宅の狭小化に合わせ、場所を選ばないコンパクトサイズの「上置き型のミニ仏壇」で、次いで洋間にも対応できるようにつくられている「台付き家具調のモダン仏壇」、昔ながらの「台付きの唐木仏壇」の順だが、平均購入価格は平均33万円で年々減少しているといい、購入価格帯に関しては5~15万円の購入率がもっとも多い。平均金額が高いのは、一戸建を持つ人や富裕者層などが平均80万円の金仏壇を購入していることが要因とみられている。
生活様式の変化で仏壇を置く仏間がない家や、仏壇を持つ意味を知らない世代が増えている事、インターネットを使って葬儀をライブ配信するなど、葬儀の価値観や様式の変化とともに、仏壇の購入需要は激減し、いわゆる「仏壇離れ」「仏壇ジマイ(処分)」が増加している。そうした背景から、同統計調査による宗教用具小売市場は1994年の3,669億円をピークに年々縮小。2014年は1,639億円と、ピーク時から5割減となった。製造・販売企業の倒産・廃業が相次ぎ、企業数も約5,000社まで落ち込んだ。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、緊急事態宣言による外出自粛の要請などにより、店舗主体で販売する業界だけに来店数が低下。追い打ちをかけるように業界全体が厳しい業況にあるなか、はせがわもその影響を大きく受けている。
(つづく)
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